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偏愛エレジー(5)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 ノックの音とともにノブが回り、ドアが開く。

「失礼します……っと」

 開いたドアの隙間から姿を見せたのは、約束通りの時刻にやって来た尚大だった。

 友永と位織、二人のただならぬ様子に尚大は入室を躊躇したのか一度ドアを閉めかけ、けれども位織の訴えるような視線に気付いた彼は、再びドアを開けて中に入った。

 友永が慌てた様子で位織から手を離し、こほんと一つ咳払いをしてチェアに腰を下ろした。

「あの、……」
「すいません、教授。俺今日河辺から次のレポートの相談受けてたんです。研究室の本を紹介しようと思って四時に約束してて」

 遠慮がちに声をかけた尚大に代わって、位織が友永に尚大がここへ来た理由を説明する。

「……そうですか。そういう事なら、使ってくれたら良い。私がいるとやりにくいだろうから、私はこれで失礼するよ」
「――はい」

 軽く身仕度を整え、友永が立ち上がる。位織に何か言いたげな視線を向け、けれども友永は何も言わずに、終わったら鍵を頼むよ、と一言残して部屋を後にした。

「位織さん、……」

 心配そうに位織を見る尚大に、位織は笑みを向けた。

「――『シナプスと超電導』、だろ?」
「あ、はい……」
「だったらこれとか……取っ掛かりに友永先生の著作は読んでおいた方がいいよ」

 何もなかったように話を進める位織に少しの戸惑い見せながらも、尚大は位織が取り出した数冊の本に視線を向けた。

 研究室から持ち出す書籍のタイトルを貸与リストに記入するよう尚大に促し、位織はリストに書き込む尚大の手元をじっと見つめて尚大を待った。

「位織さん」

 書き込む手を休めずに、尚大が声を掛けた。







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尚大×位織

関連:和大×ナツメ 




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コメント
策士ですなぁ~~。
マジシャンがここにもいた…?
でも自分が切なくなっちゃう恋愛にハテーンですもんねぇ。
うぅ~~どうなっていくのかドキムネです!
2009/03/31(火) 01:17 | URL | 柚子季杏 #-[ 編集]
想いを遂げる為に最大限の努力を惜しまない人w
>柚子季てんてぃ(*´∀`)

まったく七月と同じニオイがしますねああああああorz
けど七月と違うのは割り切ったのはフリだけ、ってトコロすw
今は邪険に扱ってる教授に対しても、
河辺に出会うまではスキだった、という脳内設定(゚∀゚)アヒャ……orz
もう少ししたら川辺にスキな相手がいるということを知りますw
そこからは……耐え忍ぶ日々……のはずすw
gdgdですがまったりのっそり続けいていきますんで
引き続きのお付き合いいただければウレシスです(*´∀`)

2009/03/31(火) 22:48 | URL | ベラ #-[ 編集]
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