福音、ふたりが幸せであるために（21）（R18)

「ん……」

　心地好い快楽の余韻。それを慎治の腕の中で愉しむことができる幸せを噛み締める。

　ゆっくりと頭を揺らし、慎治に甘えるように頬を擦り寄せ、そして慎治の首根に淡いキスをひとつ、そっと落とした。慎治はそれに応えるように歩に頭を預けてゆったりと目を閉じ、ただ黙って歩の髪をくしゃりと撫でた。

「――歩」

　抜くよ、と声を掛けられ、そっと、慎治が体内から去ってゆく。

「んっ、……」

　吐精で熟れた粘膜は、その穏やかな摩擦も過敏に快感を生み出し、歩の身体を小さく震わせる。去ってゆく慎治を引き止めるように、後孔がひくりと収縮した。

　慎治は歩から自身を抜くと同時に、快感の余韻に震える歩の身体をゆっくりと横たえた。歩の背後からとろりと零れ出る慎治の残滓をティッシュで優しく拭い、次いで歩の吐いた白濁で濡れた腹を拭う。

　それらを終えて、慎治も歩の隣に横たわった。

　まだもう少し繋がっていたかった気がした、その名残惜しさの代わりに横を向き、慎治の背に腕を回す。

　慎治を見つめながら背にあてがった手で背骨を辿り、腰のラインをなぞり、先刻まで己の中に収まっていた慎治の雄に触れる。戯れのようにそこを弄り、指を伸ばして嚢を擽る。

　慎治は時折ぴくりと眉を寄せながら、けれども咎めるでもなくいつもそうであるように、歩の思うままにそこを委ねる。

「歩」
「ん……？」
「まだイけっだろ？」
「んー……」

　慎治に体内を余すところなく愛され、慎治を抱きしめることで抱かれながらも慎治を抱いたような満足も得た。でもまだ繋がっていたかった名残惜しさは確かにある。

　いいならまだ、続きがしたい。

　けれども慎治の体調が気になった。

「慎治さん、は……？」

　遠慮がちに、聞いてみる。そんな歩の気持ちを見透かしたように、慎治がにやりと笑った。

「ナメんなよ」

　慎治の手が伸びてきて、歩の雄に触れた。

　今度は俺にくれよ、と甘く囁いて、慎治は触れた歩の雄をツツ…、と誘うように、指先で辿った。



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歩×慎治


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