福音、ふたりが幸せであるために（23）（R18)

　慎治の背に重なるように覆い被さり、美しく浮かぶ肩甲骨に口付ける。そこから唇で肌を伝い、耳下を吸い上げると慎治の背が小さく震えた。

　下肢では慎治の尾てい骨あたりに自身を押し付け、精を放ったばかりのそこに再び熱を呼び戻す。

　歩がキスを落とすたび、慎治の身体はぴくりと震え、それでも手を背後に伸ばして歩の腰骨を撫でた。そしてその手は探るように歩の中心へと向かおうとする。

　けれどもそこに慎治の手のひらが到達する前に、歩はその手をそっと握った。

「慎治さんは今日はじっと、だよ」
「んっ、マジ……かよ」
「うん」

　首を横に捻り、僅かに恨めしそうに歩を緩く睨みつけながらも、慎治は歩に言われた通り手出しを堪えて手に拳を作った。その姿がとてもいじらしくて、歩の感情の波がざわざわと擽られる。歩は目元を綻ばせ、慎治の耳下にもう一度、キスを落とした。

「慎治さん、可愛い」
「んなこと言うの、お前だけだって、……っ」
「俺以外の人なんかに、言わせない」

　慎治の肌にキスを落としながら、そのままゆっくりと唇を下へと下ろしてゆく。尾てい骨まで下ろしたところで、腰骨を掴んで引っ張り上げた。そうすることで晒された後孔にもそっと、口付けた。

　途端に慎治の身体がびくりと強張る。

「んっ、歩お前……んなこと、まで、覚えやがって……」
「慎治さんだってしてくれんじゃん」

　慎治が主導権を握るときはいつも、慎治が受ける側のときでも、慎治が歩にこれと同じことをする。

　それは不思議な快感を生み、じわじわと追い詰められる。

　いつか慎治にもじっくりとしてみたいと思っていたことだが、今までずっと、慎治に巧くかわされていた。

「やんのはいんだよ、んっ」
「じゃあこれからは、されるのにも慣れてってね」

　唇をあてがったまま静かに告げ、キスしたそこを、襞の一本一本を伸ばすように舌先で突ついた。



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歩×慎治


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ムッツリエロ魔人ｗ