福音、ふたりが幸せであるために（27）（R18)

「俺たちは大丈夫、なんだろ？」

　慎治が静かに言葉を紡ぐ。

「うん……」

　『大丈夫』

　慎治との付き合いが始まった時に歩自身が言った言葉。

　――俺たちは、大丈夫。

　どちらかが不安な時は、もう片方がそれを拭えば良い。一緒にさえいれば、なんだって乗り越えて行ける。

　だからふたりが幸せであるために、何より必要なことは。

　ともに健やかであること。

　きっとそれだけでいい。

　そしてきっと、それが全てだ。

　――大丈夫。

　一度小さく鼻を啜り、慎治に甘えるように、うなじに頬を寄せた。

「慎治さん、愛してる……」
「ん……」

　もう一度キスを落とし、ゆっくりと身体を引いた。

「んっ……」

　穏やかな摩擦に、慎治の身体が小さく震える。ぎりぎりのところまで引き抜いて、再び奥まで突き上げた。それからゆっくりと、抽挿を始めた。

「っ、んっ、……っ」

　慎治の熱が歩を包み、歩の体温は誘われるように熱を上げる。

　抽挿を重ねるたび、慎治の肌にはしっとりと汗を帯びてゆく。

　穿つたびに漏れる慎治の小さく喘ぐ声は、優しく慎治を抱きたいと思う歩の理性を蝕むようにじりじりと灼いてゆく。

　慎治の背を舐めると、微かな塩気混じりの味が口内に広がる。

　慎治を揺すりながら背の肉を食み、淡く歯を立てた。

「ぁっ、っ」

　慎治の肉道が狭くなり、歩を締め付ける。絡み付く襞を振り切って、中を掻き回した。




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歩×慎治


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