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誰もがきっと、誰かの。(39)(R15)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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※R15~18くらいです(?)よろすくおながいします。





「生、ローション」

 使うよ、と言い置いて、貴史が傍らに転がすように置いていたローションのチューブを手に取った。それは二人で寝室に入ってすぐ、貴史がクローゼットから取り出しておいたものだ。貴史は、そのまま生に体重が掛からないよう僅かに身体をずらしてから、生のすぐ脇でパチン、と音を立ててチューブの蓋を開け、手のひらにたっぷりと中身を出した。

 生の脚を割って、その奥に貴史の手が割り入ってくるのを生自らそっと足を開いて受け入れる。少しの間、貴史の手のひらで温められた水気が、背後にゆっくりと塗り付けられた。

「ん、……」
「冷たい?」
「んん、……ぁ」

 その冷たさよりも、背後から内股までを手のひらを肌に沿わせるように撫でる貴史のいやらしい手つきに、ぞくぞくと込み上げるように快感が生まれて全身が震える。喘ぐように零す生の吐息には淫らな色が混じり、貴史の背に乗せた指先には力が籠もった。

「生、感じやすいね。その顔……すげぇイイ」

 もっと見せて、と貴史が甘く囁く。

 優しく、けれどもいやらしく掛けられる、生を性的に煽る言葉。

 鼓膜から、意識までもを愛撫されているかのように感じる。

 内腿から嚢まで、丹念に塗り広げられるローションの水気。気化する冷たさが、却って生を焦らす。背後の窄みは、もうとうに挿入を期待してひくひくと物欲しそうに収縮を繰り返していた。

「っ、……」

 肝心な場所に触れない貴史の前戯は、生の理性の糸を今にもぷつりと切ってしまいそうだった。それはすなわち、生さえ知らない自分の淫らな部分を貴史に見せてしまうことだった。

 初めて自分に触れた男に、どこまでそれを見せていいのだろうか。あるいは初めての相手だからこそ、全てをさらけ出すことができるのだろうか。それともただ、求められるままに――?

 そのなけなしの葛藤も、生を苛むように絶え間なく施される愛撫に、思考より先に、身体がその迷いを振り切れと、生自身に訴えかけた。



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コメント
(*´∀`)秘密拍手コメレスです(*´∀`)まりがとんごじゃいやす(*´∀`)
>秘密拍手コメYさん(*´∀`)

ぎゃー!ありがとうございます(´Д⊂ヽ
なんかしょっちゅう生、って言ってるなぁとか思いながらも
なんか望木は言いそう、とか思って
ついつい生の名前を呼ばせてましたw
ザ・「確かめるように抱く」でしw
カッチョヨスですかわーっ!
あ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!ございマス!
若干熱で朦朧となりながらまたーりねちねち書き進めて(るつもり)ますです!
引き続きのお付き合いよろすくおながいいたします!
コメあざした!!!(´Д⊂ヽ
2009/11/04(水) 22:11 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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