「がああぁっ! もうっ! 何でっ!」
「何でっ、て?」
煙を吐きながら享一が溜息混じりに訊く。
「Whyだよっ! ちきしょ~っ」
「駐禁だろ」
享一はあっさりそう答え、ショックでふらつく泰司の肩を抱えて部屋へと連れ戻った。
呆然と座り込む泰司に水を飲ませる。泰司はんぐんぐっと一気にコップを空けて虚ろな目で享一を見た。
「享一……」
今にも泣き出しそうな泰司の姿に享一は苦笑いを浮かべる。
「明日、俺が取りに行ってやるから」
「うん……」
享一は泰司の頭をくしゃりと撫でた。
「何でっ、て?」
煙を吐きながら享一が溜息混じりに訊く。
「Whyだよっ! ちきしょ~っ」
「駐禁だろ」
享一はあっさりそう答え、ショックでふらつく泰司の肩を抱えて部屋へと連れ戻った。
呆然と座り込む泰司に水を飲ませる。泰司はんぐんぐっと一気にコップを空けて虚ろな目で享一を見た。
「享一……」
今にも泣き出しそうな泰司の姿に享一は苦笑いを浮かべる。
「明日、俺が取りに行ってやるから」
「うん……」
享一は泰司の頭をくしゃりと撫でた。
仕事から戻った享一は、自宅アパートのドアに鍵を差し込んだ。ドアの鍵がかちゃり、と鳴る。
「……?」
確かに今、シリンダーの中が回る音がしたはずなのに、ドアが開かない。不審に思い、もう一度鍵を差し込み、かちゃりと鳴らす。
開いた。……という事は、今まで鍵が開いていた? 朝、閉め忘れて出たか、それとも空き巣に入られたか……。
部屋の中はいつも享一が仕事から戻った時と同様、真っ暗。享一は慣れた手つきで部屋の明かりを点けた。
……やっぱり。
「……?」
確かに今、シリンダーの中が回る音がしたはずなのに、ドアが開かない。不審に思い、もう一度鍵を差し込み、かちゃりと鳴らす。
開いた。……という事は、今まで鍵が開いていた? 朝、閉め忘れて出たか、それとも空き巣に入られたか……。
部屋の中はいつも享一が仕事から戻った時と同様、真っ暗。享一は慣れた手つきで部屋の明かりを点けた。
……やっぱり。
ざーん。
車のエンジンを止めて初めて自分達がどこにいるか判った。
「ちっきしょー、お前、クソナビ。わざとだろ」
「俺にナビ頼んだんだから、俺の行きたい所に行かせろっての」
夜中の一時、寝入り端の享一の元に、念願の運転免許とマイカーを同時に手に入れたと、まだたどたどしい運転で泰司が突然やって来た。中古だがスポーツタイプのその車は、前の所有者がかなりのこだわり派だったらしく、足まわりにかなり手が加えられ、一見したところ、初心者が乗っているとは到底思えない。そんな車にとても似つかわしくない、葉っぱのマーク。
車のエンジンを止めて初めて自分達がどこにいるか判った。
「ちっきしょー、お前、クソナビ。わざとだろ」
「俺にナビ頼んだんだから、俺の行きたい所に行かせろっての」
夜中の一時、寝入り端の享一の元に、念願の運転免許とマイカーを同時に手に入れたと、まだたどたどしい運転で泰司が突然やって来た。中古だがスポーツタイプのその車は、前の所有者がかなりのこだわり派だったらしく、足まわりにかなり手が加えられ、一見したところ、初心者が乗っているとは到底思えない。そんな車にとても似つかわしくない、葉っぱのマーク。