誰もがきっと、誰かの。（105）（R15）

　カチャリと開くドアの小さな金属音もまた、二人の張り詰めた欲望を弾くように、身体にびんと響く。

「生、こっち」
「ん、ぁ、……」

　二人一緒に寝室に入っても、貴史はひと時も生と離れまいと思っているのか、生をそこへ運び込むように背後から抱きかかえたまま、ベッドサイドまで移動した。そして生に腕を絡めたまま片手で器用に、部屋の隅に立つ、シンプルな黒いスチールの間接照明の明かりを灯し、継いでサイドテーブルに置かれたリモコンを取ってクーラーのスイッチをオンにした。

　ぼんやりと明るくなった部屋の中、身体を重ねて立つ二人の影が、壁をスクリーンに映し出される。少しすると、耳に痛い程の静寂の部屋に、クーラーのモーター音が、ぶん、と静かにうなり出した。

「服、脱がすよ」
「ん……」

　これで準備は整ったとばかりに、全てのボタンが外されていたワイシャツを貴史の手によって剥ぎ取られ、その次は壊れ物を扱うような優しい仕草で、眼鏡が外された。こと、と小さな音を立てて眼鏡がサイドテーブルに置かれると、ワイシャツの中に着ていたシャツも捲り上げ脱がされた。

　まだ空調の効いていない部屋。

　空気は生温く湿潤し、晒された肌との境界線がどこか曖昧にも思える。

　ほんの一瞬貴史の身体が離れたかと思うと、次の瞬間には再び背後から抱えられ、その背にしっとりと、Ｔシャツを脱いだ貴史の湿った肌が重なった。

「ぁ……」

　二人の境界線さえどこなのか判らないまま、互いの熱に互いが煽られ、二人の熱と魂が螺旋を描いて高みへと上ってゆく。

　
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難しいすorz　このテンションガチュン最後まで保てるのか不安すアワワワ(；´Д｀)
少量でお恥ずかしいですがどぞ温かい目で見守ってやってくだたい(´Д⊂ヽ