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誰もがきっと、誰かの。(121)(R18)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 後孔の入り口が内側からぎりぎりまで伸ばされているのを感じる。けれども痛みを感じないのは、貴史が丁寧に解してくれたからなのだろう。

 三本の指を広げて体内で作った空洞の中、指先が壁を擦るように曲げられた。

「ぁ、っ……」

 生はまた身体を跳ねさせ、眉間に切なく皺を刻む。

 貴史が言った通り、そこには痛みを与えないつもりなのか、与えられるのはただ快感ばかりで、時折耳朶に食い込んでくる貴史の歯の痛みでさえ、じわりと生の全身に広がる頃には不思議な官能と変わって生を昂ぶらせ、苛んだ。

 そこに、単純に貴史を受け入れるためだけでない。そこで貴史と繋がって一つとなり、愛し合い共に高みへと上り詰めるために施される愛撫。

 全てが生にとっては初めての、愛される歓び。

 貴史の全てが、生に向けられている。そして生の全ては、貴史に向けられていた。

 奥まで丹念に拡げられ、ドロドロに蕩けた心と身体。最後の理性さえ溶けてしまった。

「も……、挿れっ、欲し……貴史……、っ」
「ん……、俺も、早く欲しい……」

 もう待てない、とかぶりを振りながら懇願すると、貴史からも熱い吐息とともに声が返った。

 ぬるり、と中から貴史の指が去ってゆく。肉道を拡げていたものを失くして、後孔が不意に収縮する。

「んっ……」

 全身を小さく震わせて、貴史に縋った。けれども優しい口付けが降ってきたかと思うと、貴史は生の腕からするりと逃げた。少しの不安に、熱で潤んだ目でぼんやり貴史を見上げると、ゴムを自身に着けている貴史が、生にふと笑みを向けた。

「挿れるよ」
「ん……、っ」

 両膝を、裏側から抱えあげられる。

 晒された後孔は挿入の期待にひくひくと震える。

 入り口に、貴史の切っ先を感じると同時、ぐ、と力を感じる。その力とともに、少しずつ、貴史の熱が生の体内に入ってきた。



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