2ntブログ

誰もがきっと、誰かの。(127)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「服、着られる? 見せたいもの、外なんだ」
「ん……」

 一体なんだろう、と思いながら、貴史に手伝われて、用意してあったTシャツとデニムを着る。手を取られて、部屋を出た。

 外は明るかったが、太陽は思ったよりずいぶん低い位置にある。まだ夜の名残を残す空気には少し湿り気があり、それが夏の朝を清々しものにしていた。

 随分早朝なのだろう。通勤、通学が減少する土曜日の朝にしても、車の往来はかなりまばらで、行き交う人に至っては誰もない。

 だからなのか、貴史は取った生の手を、マンションを出ても離さなかった。

 生を慮かってか、歩く速度はゆっくりで、まるで早朝の散歩を愉しんでいるかのようだ。恋人と手を繋いで屋外を歩くなんてことは、生にとっては初めてのことで、それだけで生の胸はドキドキと高鳴った。

 手を引かれるままに歩き、川沿いの歩道に入った。

 ――もしかして、あの池に……?

 貴史を見る。生が察した様子に、貴史も笑みで応えた。

「ちょっと、目をつぶって」
「え……?」

 池と続く道に入る手前、立ち止まった貴史に瞼を優しく撫でられて、生は目を閉じた。そのまま再び手を引かれ、三週間前と昨日、二度の暗闇の記憶を辿りながら池へ続く道を歩く。

 一分も歩いただろうか、貴史が足を止めた。

「目、開けていいよ」

 貴史に肩を抱かれ、身体の方向を定められる。ゆっくりと、目を開いた。

「うぁ……」

 眼前に広がったのは、池を覆う一面の緑の葉の上に、宝石を散りばめたような白い睡蓮の花々。朝の光を反射して、目映く煌めく。眩しくて、目を細めた。

「睡蓮、咲いたんだ……」

 その高貴な美しさに、息を呑む。

「生と一緒に見てぇなって。前言ってただろ? 覚えてる?」
「ん、もちろん。ほんとに、綺麗だね……ありがとう」

 覚えていてくれて。

 こんな素晴らしい風景を、見せてくれて。

 隣にいてくれて。

 圧倒的な美しさに身じろぎさえもできずに、ただその光景に見入った。

 押し寄せるような感動の波が身体の奥からがこみ上げてくる。不意に目が熱くなるのを感じた。瞬きすると、柔らかな涙が一筋零れた。





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すいませんまた終わりませんですた…orz



コメント
秘密拍手コメレスでし(*´∀`)まりがとんございマス!(*´∀`)
>秘密拍手コメYさん(*´∀`)

いや~すいませんまたタイムリミットであと少しのところで終われませんですたorz
とりあえず、終わらせたいと思うすw
それ以外の話は番外とかでおいおいやりたいと思ってますんで
色々リクいただけるとウレシスでし(*´∀`)
至りませんが精一杯応えたいと思うす!
熱いコメほんといつもまりがとんございます(´Д⊂ヽ
ほんと力頂いてます!
2010/02/04(木) 23:40 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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