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じゃじゃ馬ならし(6)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「ぶっちゃけ失恋した、つうか、フラれた……んすよね、一か月ほど前」

 大丈夫だよな、ちゃんと話せてるよな、と自らに確認しながら、どうにも頭が重く感じられて肘をつき頭を支えた。

 山中は僅かに痛ましそうに眉を寄せて頷き、大敬をただじっと見詰めていた。

 その射抜くような視線になぜかどきりと胸が鳴る。

 大敬はぎくしゃくと姿勢を正し、ぐらぐらと揺れる頭を背筋に力を入れて必至で支えた。

 山中はほんの少し笑って、咥えた煙草にライターで火を着けながら、続きを促すように片眉を上げた。

「向こうの気持ちが分かんなくて、試すようなことしたら、それっきり」

 瞬きの速度が遅い。なんでこんなにぶっちゃけてるんだ俺、と思いながらも、止めることができなかった。

「なんで相手の気持ちが分かんなかったんだよ」

 非喫煙者の大敬に向けないよう、横を向いて煙を吐いて、山中が静かに問う。

「だって。向こうから誘われたこと、一度もなかったから。落としたつもりだったのに全然だったんっすよ」

 唇を尖らせて、視線を落とした。

「案外恋愛には不器用なんだなお前」

 山中の甘い低音が、大敬をチクリと刺す。大敬はますます唇を尖らせて、睨むように山中を見た。

「あーそすよモテないつもりはなかったすけど、結局は本命をモノにできてないすからね。俺に山中さんみたいなルックスと雰囲気あれば落とせてたんすかね」

 ヤケのように、一気にまくし立てた。

「S大サッカー部のエースが何言ってんだよ。お前充分イけてんだろ。お前に靡かねぇよなヤツなんかさっさと忘れちまえって」

「ええもう一刻も早く忘れるっすよ。幸いシゴトは順調っすからね。スポDでイイの見つけてやるってんですよ」

 上司に向かってろれつの回らない口調で一息に言い放った。そして言いたいことは全部言ったとばかりに大きく息を吸い、そのまま机に突っ伏した。



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参考:貴史×生


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コメント
 あ~…大敬さん、ちゃんと生タンのこと、好きだったのね。
 生タンときは、もう全然愛してあげてない~キー!! て思ってたのに…。
 不器用な子…。
 でもそれが何かかわいい(^^)
2010/05/07(金) 08:31 | URL | 如月久美子 #-[ 編集]
両成敗すw(違w)
>如月さん(*´∀`)

お越し&コメありがとうございますーっ!
最近村へ自クリも忘れる始末でして
不精してましてほんとすいませんアセアセ

やっぱ双方の言い分を平等に聞くと
どちらも間違ってないというかどちらも正しいというか
ケンカとかってそういうモノなんじゃないかと思うす
(てかそうであって欲しい、的な)
結局大敬は結構不器用で実は経験もあんま豊富じゃないイメージでw
抱かれなさい抱かれなさい
オトナなオサーン(33歳w)に抱かれればイイサー
とか念じながら書き進めてるす(*´∀`)

どうか可愛がってやってくだしぁ(*´∀`)(私を)(ぇ)

まりまとうございますた!!
2010/05/07(金) 23:43 | URL | ベラ #-[ 編集]
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