じゃじゃ馬ならし（14）（R18）

「ぁ、ぁっ、っく、イ、く……っ」

　全身が硬直し、体内の山中を締め上げる。それを振り切って中の熱塊が大きく引き抜かれ、そして再びずん、と奥まで打ち付けられた。

「ぁっ……」

　あぁ、と山中が低く呻く声が聞こえる。どくんと、中で山中が脈打ち、熱が注ぎ込まれる。その熱に押し出されるように、大敬も昂ぶり極まった精を吐き出した。

「っ、っは、は、ぁ……」

　白くハレーションを起こしたような意識が、少しずつ現実と混じり合い、溶けてゆく。背後から山中に抱きしめられていると、意識の端でぼんやりと感じる。肩甲骨辺りに、キスが落とされ、ゆったりと、力が抜けてゆく。

　ここは山中の部屋だ。

　山中に、抱かれた。

　これは一体、何なんだろう……。

　混乱の中で与えられた過ぎる快感は、大敬の精神を磨耗するに十分だった。

　疲弊しきった意識は、現実を受け入れることを拒んだ。

　ふつりと糸が切れたように意識を手放して、大敬はベッドに崩れ落ちた。





　次に目覚めた時には、すっかり夜も明けていた。

　明るい室内、眩しさに目を細め、目が明るさに慣れるのを待つ。

　目が慣れてくるとともに、意識もはっきりとしてくる。

　夕べあった出来事を思い出し、ここは山中の部屋だったと、慌ててがば、と飛び起きた。

「っ、……」

　背後に残る違和感に、眉を寄せる。傷ついた様子はなかったが、まだそこに山中を受け入れているかのような鈍痛は残っていた。

「あー……、……」

　くそ、と小さくひとり毒づく。

　酒の所為だったと思いたい。

　いっそ酔いの所為で忘れてしまっていた方が良かったのにと思うほどの忌々しい光景が、けれども一部始終をはっきりと思い出すことができた。


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参考：貴史×生



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