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じゃじゃ馬ならし(15)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 自分はどうなってしまったのだろうと、まだ酒の残る重い頭を軽く振って、己の身体を見下ろした。

 あれだけの行為のあとにもかかわらず、肌はさらりと乾いている。

 下着は身に付けてはいなかったが、下肢についても然りだった。おそらく眠っている間に山中が拭き清めてくれたのだろう。

 強引に抱きはしたが、その程度に大敬を思いやることくらいはできたのか、と皮肉な笑みが零れた。

 ドアの閉まった程狭い寝室。

 部屋の大きさから察するに、少し余裕のある単身者向けのマンションといったところだろう。この家に入った時の記憶がないため、家の造りは知らないが、おそらくこの部屋を出ればリビングとキッチンがあるだろうことが想像できた。

 見回すほども広くはない部屋を見回してみる。

 そこに山中の姿はなかった。

 山中の姿がないのなら、今のうちに退散してしまおう。どのみちどんな顔をして彼と対峙すればいいのかも分からない。

 夕べ着ていたものを探して改めて部屋を見た。

 スーツとネクタイはハンガーに掛けてクローゼットの扉に掛けられている。けれども下着と、ワイシャツが見当たらない。

 ――まさか、洗濯してたりしてんじゃねぇだろな……。

 嫌な予感に眉を寄せ、裸のままベッドから降りようかどうしようかと躊躇していると、かちゃりと小さな音を立てて部屋のドアが開いた。

「おう、起きたか」

 咥え煙草で入ってきた山中が、起き上がっている大敬を見てにやりと笑った。

 山中は、軽くパニックを起こしている大敬を他所に、ベッドサイドに腰を下ろし、要るだろ、と手にしていたスポーツ飲料のペットボトルを大敬に手渡した。

「……、……」

 軽い調子で手渡されたペットボトルをじっと見下ろす。

 見返りを求めたいわけではないが、あれだけの行為の代価がこのペットボトル一本の重みしかないのかと思うと、沸々と怒りがこみ上げてきた。


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参考:貴史×生


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