愛の夢　第一〇〇三番（14）（Ｒ18）

　慎治さんの熱っぽい目が、ふと和らぐ。

「ん……、それは……もっと重篤な時に、また、頼む……」

　慎治さんは心配するなと言うように、俺を宥めるような優しいキスをひとつ、俺にくれた。

「重篤……」

「ん、……」

　その意味がすぐには解らなくて、慎治さんの言葉を繰り返すように呟いた。

　重篤って、病気がすごく悪い状態のことだよね？　もっと重篤って、インフルエンザより？　今回だって、すげぇ心配したのに。　

　普通な顔してそんなこと言わないでよ、慎治さん。考えただけで、怖くなる。

　これよりまだ重い病気とか……、

「そんなの……やだ」

　駄々をこねるような返事をして、ぐ、と腰を押し付けた。

「ん、歩っ、……っ」

　そのまま抜き挿しを繰り返し始め、慎治さんを大きく揺すると、慎治さんは切なく表情（かお）を歪ませた。

　――死が二人を分かつまで。

　慎治さんと生を共にするつもりだけど。

　やっぱり看病とか、そういう事態にはならないに越したことがない。

　だけどもし、ほんとにそういう日が来たら。

　必ず俺が、傍（そば）にいて、慎治さんを看るからね。

　――俺が病人になることもあるかもしんないけど。

　そんなことを思いながら、慎治さんの背をそっと撫でた。




←13へ　/　→15へ
←１から読む

歩×慎治



にほんブログ村
↑ランキング参加中す。よければクリック入魂一押ししてください。
　書く意欲に繋がってます(*´∀｀)
携帯からはポイント反映されないことがあるようです（090907現在）
ぜひパソからの一押しお待ちしてます(*´∀｀)



短っ！！(；´∀｀)