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じゃじゃ馬ならし(41)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 眼前に広がる、テイルランプの川。山中のスムーズな運転の所為か、二人が乗る社用車はその川を静かに下る小舟のように感じる。

 カーラジオさえも流していない車内の沈黙に負けた訳ではないが、静かな空間は、大敬の素直な気持ちをそっと導き出そうとしているかのようだった。

「――俺こんなんじゃ、これからも仕事うまく行かないすね。改めないと」

 小さな吐息とともに、ぽつりと独語した。

 山中の耳にまで届いただろか。

 山中からなんらかの言葉が欲しい訳では決してない。黙ってくれていてもいい、ただ、正直な気持ちを聞いて欲しかった。

 公私混同して判断を誤り、仕事でミスした。

 今後はそんなことのないように。自分に言い聞かせた。

 また沈黙が訪れる。

 山中の返事を待っていたつもりはないが、静けさがいたたまれなくて、後頭部を掻いた。

「……そういう素直なとこをちゃんと持ってたら絶対大丈夫だ。つーか、今までもそうやって素直に取り組んできたから、ここまで来たんだろうよ。大手一社任されるような中堅にさ、ちゃんと段階踏んで昇って来てるだろ」

「そ……すかね、ありがとうござい、ます」

 思いがけない言葉に、戸惑いを隠せなかった。ぎくしゃくと軽く頭を小さく下げ、また、後頭部を掻く。

「礼には及ばねぇよ。俺はお前の上司だからな。お前のことはちゃんと正しく見てるつもりさ」

「あ……」

 落ち込んでいるときにすっとこんな言葉を入れられてしまったら。

 ――惚れるか? まさか、な。

 危うくココロを持って行かれそうになっている自分に気付いて、急いで心にブレーキをかけた。





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参考:貴史×生


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コメント
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2012/06/06(水) 22:11 | | #[ 編集]
ありがとうございますーっ!(;´∀`)
>Kさん(*´ω`*)

ちょとぶりでごじゃいやす!
お越し&コメありがとうございます!
最近はリア多忙→もともとの虚弱故なかなか夜が起きてられなくて
パソ前に座る→即落ち→マウス落っことす音で目を覚ます
そんなカンジで更新も全然できないのに
二次にまで手を出してまして
せっかく携帯やめても更新ペースがなかなか戻らない日々です(;´∀`)

二次のも読んでくださったんすね!
いちいちパス入れないといけませんでしたか
お手数おかけしたのにありがとうございます
私が作ったキャラじゃないせいでしょうか
意識して書いたつもりはないですが
…長く書かなかったゆえの劣化でないことだけを切に祈ってマス(´Д⊂ヽ

ぎゃーん
そういえば年始辺りにパソを再セットアップしまして
そのときに辞書が飛んだんすよ
それでキャラ名辞書も飛んじゃいましてorz
にしてもキャラ漢字間違うとか
読んでくださってる方からしたら萎えポイント丸出しで
お恥ずかしい…orz
もう一度読み直して直します
ありがとうございました(平伏

懲りずにまた覗きに来てやってくだしです!m(_ _)m
2012/06/15(金) 21:55 | URL | ベラ #-[ 編集]
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