2ntブログ

じゃじゃ馬ならし(49)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
「なんか疑惑の目を向けられてるような気がするな。納得行かねぇ、って表情(かお)だな」

「そんなこと……、まぁ、少し」

 目はクチほどにものを言っていたか、気付かれているのならこの際だから聞いてしまおう。確かに色々納得させて欲しい。させてくれるんでしょうね、と言いたげに、じっとりと山中を見つめた。

 目が合うと、山中はほんの少し目元を綻ばせ、観念したようにふぅ、と小さく息を吐(つ)いた。

「まぁ親戚が集まると、家族はいいなぁとか、ちょっと思うわけよ」

 山中がどこかぽつりと呟くように話し始め、肩をすくめて缶を傾けた。コクリと小さな音を立てて、喉仏が上下する。

 なぜか、山中のそんな小さな動きを見ていると、じくりとカラダの奥が疼く。

 これは要するにぶっちゃけ、認めたくはないが、山中に欲情しているのだった。

 それがまた少し、面白くない。

 その気持ちに正直に、大敬は黙ったまま小さく唇を尖らせ、またビールをすすった。

「兄貴がな、俺の幼馴染と結婚したんだ」

「……? はぁ」

 なんの話か読めずに、曖昧に相槌を打つ。そんな大敬の内心を知ってか知らずか、山中は大敬をちらりと見やるに留め、話を続けた。

「兄貴とはふたつ違いなんだけど、俺とわりとよく似ててな、当然その子供は兄貴に似てて、そうすると俺にも似てて」

「はぁ……、……あ」

 やっと山中の話の意図が読めた。

 ――もしかして。

 写真の中にいた、山中の面立ちに似た子供。あれは山中の子供でなく。

「お兄さんの、子供、……」

 合点がゆき、思わず呆然と呟いた。

「その俺の幼馴染が、俺がこんなだ、つうかまあ、俺の性志向を知ってるんだけど。そいつと俺と姪っ子と、三人で撮った写真を持っとけって、虫除け、っつったか……いや違うな、魔除け、つったか、ここ遊びに来たときに、フレームに入れたのを、置いてったんだよな」

 言い終えると山中は苦々しく笑って、肩をすくめた。


←48へ / 50へ→
←1から読む

参考:貴史×生


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村
↑ランキング参加中す。よければクリック入魂一押ししてください。
 書く意欲に繋がってます(*´∀`)
携帯からはポイント反映されないことがあるようです(090907現在)
ぜひパソからの一押しお待ちしてます(*´∀`)




コメント
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 

 | Copyright © がっつりBL的。 All rights reserved. | 

 / Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ