2ntブログ

24/7(twentyfour-seven)(6)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 その時、テーブルの上に置いてあった泰司の携帯が震えて、着信音と共にテーブルに細かい振動音を響かせた。享一からの電話だった。山井からの質問にどう答えるか困っていた泰司はそのタイミングの良さにほっとすると同時に享一の勘のようなものを感じてどきりとする。ちょいごめん、と山井に一言謝って、享一に助けを求めるようにその場で携帯を開いた。

「お疲れ。何?」
『おうお疲れ。お前まだ外? 例のヤツと飲んでんの?』
「ずっと一軒の店でね。酒もちょっと回ってきた、ってトコかな」

 何の気なしに山井を見ると、泰司の電話を見守るような視線を向けている山井と目が合った。泰司は山井との会話を中断させた謝罪の意味も込めてその視線になんとなく笑みを返す。

『泰司、お前そろそろ帰れ。俺も今から帰る』
「享一もう帰んの? 珍しいな。今何時?」
『今九時。いいか、引き止められても帰るって言えよ』
「んー……うん、分あった」

 じゃな、と残して享一からの電話は切れた。

 ごめんね、ともう一度山井に謝って携帯を尻ポケットに差し込むと、テーブルの上を見た。殆どの皿は片付いて、残るは泰司のジョッキの中のビールと『血液サラサラダ』半分だった。泰司はそれを箸でかき集めて口に運び、ビールで流し込んだ。

「ええと……そろそろ……」

 お開きに、とテーブル脇に置かれていた伝票に手を伸ばすと、山井も同じように伝票に手を伸ばし、泰司の手を上からそっと握った。

「俺が払います」
「でも……今日は俺が払う約束で……」
「また一緒に飯食ってもらえますか?」
「それは構わないけど……」
「じゃあその時。次、入沢さんがご馳走して下さい」

 山井の射抜くような視線に気圧されて、じゃあ、と泰司はその手を引いた。

「……おくら」
「え?」
「付いてますよ」

 ココに、と泰司の上唇に手を伸ばした山井は、泰司から緑の星型の欠片を摘むと、笑って自分の口にそれを運んだ。




←5へ / 7へ→
1から読む


羞恥プレイ的過去作品享一×泰司シリーズあります。
よろしければドゾー




↓よければポチっと押してクダサイ
  書く意欲に繋がってますv
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ



*********************************************************
『納豆オクラめかぶ山芋などのネバネバ食品は血液サラサラ効果が高いと心得よ』
とアニさん(@スチャダラパー)も言ってますw
上唇にオクラのカケラをくっつけて気づかない泰司は
ガチで米粒目の下にくっつけてる萌え萌えハナさん(@fxd)へのオマージュす。
(メモのパンダブログ記事タイトル「イリュージョン」参)
ハナさん、萌えますた。(ここで言うか)

*********************************************************




コメント
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
http://gerberahybridblog.blog.2nt.com/tb.php/251-5ada7997
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

 | Copyright © がっつりBL的。 All rights reserved. | 

 / Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ