24/7(twentyfour-seven)（８）

　やがて自力で立っていられなくなる。縋るように握った享一の服の皺が深くなった時、不意に享一が身体を離した。支えをなくした泰司は壁を背にずるずると、へたり込むように床に腰を落とした。泰司を見下ろす享一を、潤んだ瞳で見上げた。

「享一、怒ってる……？」

　どこからが悪かったのかよく分からない。いつも来ている宅配業者に飲みに誘われただけだと思っていた。キスされそうになったのは、マズかった……のかも知れない。

　――流されんなよ。

　享一の言葉を思い出す。山井に言った通り、山井とは身体の関係に至るような事をしたいとは思わない。それがすべてなのだが、享一にどう説明すれば分かってもらえるのだろうか。

「享一怒ってるなら、ごめん……」
「いや、怒ってねぇよ。むしろ俺が思ってた以上にちゃんとしてたよな、お前」

　享一が泰司に手を差し出した。その手と享一とを見比べて、その手を握った。引っ張られ、立ち上がる。

「俺が見せれる余裕があれっぽっちなのが悔しい、つか情けねんだよ」
「享一……」
「お前はいつでも俺の側で俺の全てを受け入れてくれてんのに」

　さっきの荒々しいキスからは考えられない優しさで抱き締められる。泰司もその腕で享一を抱き締め返した。

「そんなの……。ただ俺は……享一、お前と一緒にいたいだけだよ」
「ん……」

　享一が頬を掏り寄せてくる。いつもの享一とは違うその甘えるような仕草が可愛くて、泰司は目を細めてその背を撫でた。

「泰司、ドライブ行かね？」
「今から？」

　突然の誘いに驚いて、身体を離して享一を見る。その表情は、もういつも通りの不敵な笑みで。

「俺にももう一回お前を口説かせろよ」

　享一は、その笑みのまま泰司に啄むようなキスをした。





つ…次こそエロ入りたす！　なんか色々破綻…(；´Д｀)


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羞恥プレイ的過去作品享一×泰司シリーズあります。
よろしければドゾー




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