2ntブログ

ただ、それだけ。(6)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 でも。

 その弟は、多分野田に何も求めてはいなかったんじゃないかと、穂積は思った。

 野田の無防備な優しさには隙がある。その気になればきっと、簡単に壊す事ができる。

 暗い炎が穂積の奥底でちろちろと揺らめく。

「野田さん」

 穂積は野田を覗き込んだ。



「気付いていれば、野田さんは弟さんに何をしてあげれたんですか」
「それは…………」

 穂積を見詰め返す野田の瞳が不安に揺れる。

「弟さんを受け入れる事ができたんですか」
「でも俺は、知らない事で、歩を傷つけた。それは俺が歩にしてやりたい事の真逆にある事だから、……」
「野田さんは、あなたの弟が、あなたにしたかった事がどんな事か、分かりますか」
「穂積……?」

 野田のネクタイに、手を掛けた。元々緩んでいたそれは、少し引いただけで、するりと抜けた。野田がその微かな衣擦れに、息を詰まらせる。

「あなたの弟が、あなたに一番したくて、一番したくなかった事。受け入れる事ができるか、俺で試してみたら良いんです」

 シャツのボタンに手を掛けた。

「穂積、何を」
「何か、分かりませんか」
「……、……」
「弟に、負い目を感じているなら」

 スラックスからシャツを引き抜いて、ボタンを全て外すと野田の肩を、指先で軽く押した。野田はぐらりと揺れ、あっさりとその背をベッドに落とした。その顔の両側に腕を突いて野田を見下ろす。

「俺が代わりに、引き受けます」
「……穂積」

 穂積を見上げる野田の目は、不安に揺れながらも何かを待っている、そんな気がした。

「あなたの無意識の罪を、俺が」
「穂積、……」

 野田が縋るように穂積の腕を握った。穂積は確信した。

 野田は、罰される事を願っている。



←5へ / 7へ→
←1から読む



にほんブログ村
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
↑ランキング参加中す。よければポチっと押してクダサイ
書く意欲に繋がってます。




穂積電波キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!wwwwwwworz
そろそろまたエロが始まりそうですwwwww





コメント
お兄様!!
きゃ~~~。
さすがはベラさん。。。この後の展開が気になります(笑)
夜中にひとり悶えてしまいましたw
2008/06/23(月) 00:19 | URL | 柚子季 杏 #-[ 編集]
お兄様~っ!
えっ!あれっ!?んわ~!!
野田さんって、あゆみんのお兄様だったんすか!?

わーびっくり、ここでお話が繋がっているとは
嬉しい驚きですっ
って、あれ?気づいていなかったの私だけ?

しかし!
弟と兄とそれぞれ・・・・って、
禁断のにほいプンプンで激しく萌、ゴホッゴホッ
2008/06/23(月) 00:42 | URL | カサンドラ #-[ 編集]
兄あにアニーwコメあ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!ですv
>柚子季さんv

さすがw日々♂×♂のエロいことばっか考えてるおかげで
なんとしてもエロい方向へ持って行きたいみたいです\(^o^)/オワタ
毎度な展開で申し訳なさイパーイですが
よろしければ最後までお付き合いいただければ
ウレシスです!!
てか最後まで書ききれるようケツ叩いていただければ
喜んで差し出します!!!(ケツを)
コメありがとうございます!(´Д⊂ヽ


>カサンドラさんv

うわ、うわわっうわっち!
そうなんす!!大々的に名言してませんでしたので
申し遅れましたが
ワタクシ(誰)野田歩通称あゆみんのアニでございます
ダイジな弟を思ったもののすべて空回り、
今はただ反省の日々を送っているところを
狙いを付けられた年下攻めに次回からヤられますw
ちなみに息子のサトルもそちら方面に走りますw
どんだけBLな一家ですかw\(^o^)/オワタ
あーあーあーあーコメは糧です
いつもありがとうございます(´Д⊂ヽ





その他色んなトコロを押してくださる皆様
いつも感謝のキモチでイパーイです
ありがとうございますm(_ _)m
2008/06/23(月) 19:59 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
この記事のトラックバックURL
http://gerberahybridblog.blog.2nt.com/tb.php/339-d13ee7e6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

 | Copyright © がっつりBL的。 All rights reserved. | 

 / Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ