ただ、それだけ。（20）（R18)

　野田の手によって緩められ下に落ちたスラックスを靴ごと脱いで、穂積は野田の頭を掴んだ。

「あぁ……」

　野田は下着の中で形を成す穂積に頬を寄せ、その脈動と熱を頬で感じて身震いした。

　下着をずらしてそっと穂積を取り出す。既に血を集め始めている穂積の猛りに手を添えて、先端を口に含めた。

　初めてのこの行為。穂積が欲しいと、その気持ちだけでも伝わるように。

　要領を得ないまま先端から括れまでだけを何度も舐めるように吸っていたら、頭を掴む穂積の手に引き寄せられ、深く咥えさせられた。

「んっ、……っく、……」

　思わず咳込んで、目尻に涙が浮かぶ。それを堪えて、穂積を包むように、舌を添わせた。

「あぁ……野田さん……」

　穂積の声が身体に染み入る。それだけで、身体が火照る。己の下肢が疼く。穂積の手に促されて顔を前後させながら、片手で自らの前を緩めた。下着の中に手を差し入れ、己の中心を握る。

「んっ、ん、ん……」

　時折嘔吐（えづ）きながらも、懸命に舌と唇で穂積を愛した。同じ速度で己を扱く。穂積が腰を揺らしはじめると、その度喉奥を突かれて無言で喉奥を開くよう強要される。

「野田さん……、口、イイですか……、っ」

　止まらない涙を流しながら小さく首を縦に振った。穂積は切れた目元をふと緩め、野田の頬を拭った。そして頭を掴み直し、野田の頭を固定した。




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