ただ、それだけ。（34）（R18)

「穂積、もっと、……」
「……こうですか？」

　徐(おもむろ)に、指を二本に増やした。野田の肉道が、穂積の指を熱く柔らかく包み込む。それを振り切るように、埋め込んだ指を左右に開いた。

「あ、ほづっ、っん」

　野田が口元をわななかせ、精を放ったばかりの野田の中心が震える。

　穂積は熱を失わない野田の猛りを口に含めた。口内で野田の幹に舌を添わせる。そのまま吸い上げて、顔を上下させた。

「んっ、ぁっ、穂積っ、……っ」

　快感を堪える野田の両手は、縋るようにシーツを握り締める。無意識に動く野田の腰は時折穂積の喉奥を突き、その度穂積は喉を開いて深くまで野田を咥えて愛撫した。口淫に加え、野田の中に埋めた指を回し、中を拡げながらその指を抜き挿しすると、穂積の口内で野田の熱が脈打った。

「穂積っ、俺ばっかりっ……俺も、する……」
「ほんとに……？」
「んっ、穂積、こっち……」

　野田が小さく唇を開き、穂積の背を野田の方へと促した。その手に抗わず穂積は身体を移動させ、互いに横を向いて向かい合わせの体勢になる。野田が、穂積の下着をずらして猛りに手を添えた。

「穂積……」

　上気した表情で穂積の熱に唇を寄せ、野田がその先端に口付ける。小さく出した舌で裏側を舐め、そっと穂積を口に含めた。野田の温かい粘膜に先端が包まれる。このまま野田の口内を犯したい衝動が穂積を襲う。ゆっくりと深呼吸する事でどうにかそれを抑えて、穂積は口淫を再開した。野田の背後に埋め込んだままだった指を、再開の合図のようにぐるりと回した。

「あっ、んっ、……っ」

　片足を少し浮かせて、野田が穂積の動きに翻弄される。野田が口に含めていた穂積の中心は、野田が顎を跳ねさせたと同時に野田の口から零れ出た。





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