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Fly Me To The Moon(24)(R18)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 いつまでも身体に残る熱を下げるかのように、低めの温度に設定した湯を浴びる。和大が体内に吐き出した白濁を掻き出すべく、ナツメは自ら背後に指を挿し入れた。

「んっ……は……」

 和大を受け入れて柔らかくなった襞がナツメの指先を包む。指先を少し曲げ、中のものを掻き出すその刺激に、吐精の余韻を残すナツメの身体は簡単に火が点いた。

「ぁ、……、……」

 声を堪えて緩く腰を揺らす。立っていられなくて、がく、と膝が折れた。膝立ちになり、壁に頬を宛てて身体を支える。空いた片手を自身に伸ばし、指先で扱いた。

「っ、……、……っく」

 和大、と無言で呼ぶと、身体に電流が走る。唇を噛んで声を殺す。雨のように降ってくるシャワーに洗われながら、ナツメはひっそりと、精を吐いた。

 再び荒くなった呼吸。収まるのを待ちながらじっと、全てが流れて行くさまをシャワーに打たれて眺めていた。

「ナツメさん、……大丈夫?」

 戸口から聞こえた和大の声。ナツメはふと笑って、湯を止めた。

 バスタオルにくるまって戸を開けると、前で待ち構えるように立っていた和大に抱き締められた。その気の遠くなりそうな心地好さに目を閉じて、ナツメは和大に身体を任せた。

「――和大」

 けれどもいつまでも離そうとしない和大の腕の中は、やがてナツメを切なくさせる。ナツメは和大の胸に手を置き、そっと身体を離した。ちょっと待ってろ、と和大に言い置いて、そのままナツメは玄関に向かった。

「これ」

 戻ったナツメは手にしていていたものを和大に手渡した。それは前の男に拳とともに投げ付けられた、この部屋の合鍵。

「いいの?」

 受け取った和大が、その鍵を握り締めて問い掛ける。

「お前が要らなくなるまで持ってていいよ」

 穏やかな笑みで頷いて、ナツメは床に脱ぎ捨ててあった服を再び着込んだ。

「ちょっと、――出かけて来る。帰るなら、鍵」

 頼むな、と小さく残し、ナツメは一人、部屋を後にした。

 振り返って和大の表情を見ることは、できなかった。





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