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Fly Me To The Moon(29)(R18)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「お前が、ヤじゃなければ」

 ――ヤったすぐあと別の男に抱かれに行こうとするような俺の事を。

「ヤなワケねぇじゃん」

 ナツメを宥めるように背を撫でた和大の手が、羽織ったままだったナツメのダウンジャケットをそっと脱がせた。ふぁさ、と柔らかい音を立ててそれが床に落ちる。

「だって俺、……」

 ――お前を怒らせるよな事したろ? なんで怒んねぇの?

 こんなに和大を欲しているのに、和大を誘ったのはナツメなのに、混乱から抜け出せない心はナツメを、まるで和大を拒むかのように小さく身じろがせた。

「俺の心配してくれてんだね、ナツメさん」
「ちが……」

 上衣の裾から和大の手のひらが差し入れられた。直に触れられて肌に感じる、和大の手の温もり。正直な身体はそれだけでびく、と痙攣するように震えた。

「ぁ……」

 裾からシャツをたくし上げられて、するりと上衣を脱がされた。和大も自ら上衣を脱ぎ落として、そしてナツメの手を取った。

「ナツメさん、行こ」

 手を引かれ、一緒に歩いてベッドに乗り上げた。二人で寄り添うように身体を横たえて抱き合うと、全身に和大の体温が流れ込んでくる。和大の手のひらが、ナツメの腿から中心に向かってゆっくりと身体の線を辿る。それだけで、ナツメの身体は昂揚し、頬は熱を帯びた。

「ぁ……和大……」
「ん、……どしたの」
「早く、……」

 欲し……、と和大の前を探るような手つきで寛げた。その手をそっと制して、和大自ら下肢に纏うものを脱ぎ、次いでナツメの着衣も取り去った。




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