「今日に限って……俺が行かなかった所為で……っ」
――ナツメは俺を、呼んだのに。
河辺を襲う後悔。己の不甲斐なさに、河辺は奥歯を噛み締めた。
「……ナツメさんはいつも、あんたと会ってたの?」
視線を外から河辺に向けて、和大が訊いた。河辺は和大を斜に見やった。
――ナツメは俺を、呼んだのに。
河辺を襲う後悔。己の不甲斐なさに、河辺は奥歯を噛み締めた。
「……ナツメさんはいつも、あんたと会ってたの?」
視線を外から河辺に向けて、和大が訊いた。河辺は和大を斜に見やった。
「――そうだよ。……三度ともな」
――お前がナツメをちゃんと繋ぎ止めておかねぇから。
喉元まで出掛かった言葉を、煙草を咥えることで飲み込んだ。ナツメを縛ることはできないと、和大に教えたのは誰でもない河辺自身だ。それでもナツメは変わろうとしていた。たとえナツメ本人は無自覚だったとしても。
煙草に火を点け、薄くウィンドウを下ろすとその隙間に煙が吸い込まれてゆく。代わりに入り込んできた冷たい空気に、河辺は失いかけていた冷静さを取り戻した。
「そっか……良かった」
和大が、安堵したような表情で呟いた。
和大の言葉の意味が理解できない。河辺は眉を寄せた。和大は河辺の視線に、穏やかな笑みを返した。
「あんたに会ってたんなら、……安心だし」
――コイツ、分かってんのか?
河辺は思わず苦い表情で片眉を上げ、和大を凝視した。
交わったあと、その相手が別の男に会いに行く。ナツメはその先で、どんなことをするつもりで和大を置いて部屋を出て行ったのか。おそらくナツメは和大に何も話してはいない。何しろ河辺と会っていた事さえ知らなかったのだ。
分かっているなら和大は、ナツメは河辺と寝たと思い至っているはずだ。
それなのになぜ、「良かった」なんて言えるのか。
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――お前がナツメをちゃんと繋ぎ止めておかねぇから。
喉元まで出掛かった言葉を、煙草を咥えることで飲み込んだ。ナツメを縛ることはできないと、和大に教えたのは誰でもない河辺自身だ。それでもナツメは変わろうとしていた。たとえナツメ本人は無自覚だったとしても。
煙草に火を点け、薄くウィンドウを下ろすとその隙間に煙が吸い込まれてゆく。代わりに入り込んできた冷たい空気に、河辺は失いかけていた冷静さを取り戻した。
「そっか……良かった」
和大が、安堵したような表情で呟いた。
和大の言葉の意味が理解できない。河辺は眉を寄せた。和大は河辺の視線に、穏やかな笑みを返した。
「あんたに会ってたんなら、……安心だし」
――コイツ、分かってんのか?
河辺は思わず苦い表情で片眉を上げ、和大を凝視した。
交わったあと、その相手が別の男に会いに行く。ナツメはその先で、どんなことをするつもりで和大を置いて部屋を出て行ったのか。おそらくナツメは和大に何も話してはいない。何しろ河辺と会っていた事さえ知らなかったのだ。
分かっているなら和大は、ナツメは河辺と寝たと思い至っているはずだ。
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コメント
相互リンクさせていただいている、「落下」の紫江です。
ひとつ、報告があって参りました。
実は、PCの不調によりサイト運営が困難になってしまい、またブログの運営中心に切り替えますので、URL変更をお願いします。
お手数ばかりかけてゴメンナサイ;;
http://flydown94.blog77.fc2.com/
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>紫江さん(*´∀`)
コメ残さず失礼してますが
紫江さん宅はローカルのブクマに入ってますんで
ほぼ日参させていただいてますよー(*´∀`)
課題は終わられたんでしょか、色々がんがってくだちぃ(*´∀`)
リンク張替え完了す(*´∀`)
携帯からのお越しもお待ちしています(*´∀`)
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