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Fly Me To The Moon(42)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「――お前、バカだろ」
「ナツメさんにも言われる」

 和大は笑った。

 その笑みに、僅かな敗北感のような、悔しさにも似た感情が河辺の心に過ぎる。そして同時に、なぜナツメが変わり始めていたのか、その理由も理解ったような気がした。

 信号が青になる。河辺は再びアクセルを踏んだ。




「――あった」


 運転席側に駆け戻ってきた和大が、緊張した面持ちで告げた。

 店から近い順に調べて行ったホテルも、五軒目のここで最後だった。

「クソ手間かけさせやがってヨシヤのヤツ……」

 それでも車が見つかった事に僅かに安堵し、けれどもここからが本番だと小さく深呼吸する。

「行くか」

 車を下りた河辺は入るぞ、と和大を呼び寄せて入口へ向かった。

 入ってすぐの壁にあるパネルを見上げて、部屋の利用状況と室内の設備を調べる。空室はほとんどない。一室しかない最上階が気になった。ヨシヤが使っているのは、VIP向けにも見えるその部屋に違いない。

「来い」

 河辺は和大の手を取った。

「な、んで手……?」
「カップルのフリだよ、一応な。……俺だってお前と手なんか繋ぎたくねぇよ、クソっ」

 戸惑う和大を無理矢理引っ張ると、それでも和大は素直に手を握られたまま河辺について来た。

 エレベーターを呼び、無人だったその箱に乗り込むとすぐ、二人は弾かれたように手を離した。それだけで疲れたわけではないが、河辺は脱力したように壁にもたれた。

 少しの沈黙。

 じっと、和大を見た。

「――ある程度は覚悟しておけよ」
「――ん」

 和大は小さく、けれども真直ぐな目で河辺を見つめて頷いた。





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コメント
【秘密拍手コメレス(*´∀`)】【まりがとんございます(*´∀`)】
>秘密拍手コメiさん(*´∀`)

あわわわわマジでヤバいすねwwwwwwww
和大×ナツメが噂になる前に河辺×和大がwwwwwwwww
学校に知れ渡るコトにwwwwwwwうえっwwwwwオモロすwwwww
誰か目撃してればイイのにwwwwww
「ちょwwwwwさっきwwwww河辺と松田が手ぇ繋いでラブホ入るの見たwwwwwwww」
こんなメールが回りまくったら(・∀・)イイ!!すねwwwww

和大はいつも学校帰りにナツメ宅に行ってるはずなので
制服のままなんすねw
ソレはさすがにヤバいから河辺が自宅からテケトーに
自分の私服を持ち出して和大に貸してやった、
そんなカンジで一応思ってましたが
描写としてクドイ気がして割愛(*´∀`)
一応制服じゃなく私服(河辺のw)を着ていると思っていただけるとウレシスですw

ライバルが「友」になってる姿は
見る人を感動させるすよね(*´∀`)
というわけでウチもどっちかというとソチラ方面へ
もってイきたアッ――!いと思ってます(*´∀`)
二人ともが大人でないとなれない関係
うまく書き進められるか相変わらずドキムネですが
引き続きアタカく見守ってやってくだちぃ(*´∀`)
2009/01/31(土) 11:36 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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