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Fly Me To The Moon(40)(R18)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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※前半18禁です。




「んっ、……」
「歯、立てるなよ」

 必死に舌を使って、言われた通り歯を立てないようにヨシヤの猛りを包み込む。歯を立てたらどんな仕打ちが待っているかは容易に想像つく。

 ――これが、……俺。

 少し我慢すれば、すぐに済む。ナツメ自身も、そのつもりになれば悦くなることだってできるだろう。

 ――和大、……。

 ふと、和大の優しい手の感触が、頬の記憶に蘇る。和大に知られたら。きっと二人の関係も終わる。それも仕方ないと、ナツメは思った。

 どんな想いも、いつかは終わる。

 和大の真直ぐ過ぎる気持ちは、自分には荷が重過ぎるのかも知れない。知られて、幻滅されて、そして嫌われる。これが一番自分らしい終わり方だ。今までだって、そうだった。

 頬に涙が伝う。それはヨシヤに喉奥を無理矢理突かれている所為だと、朦朧と霞んだ思考の中でナツメは己に言い聞かせた。









「――なかった」
「じゃ次行くぞ」

 情報収集しておいてくれたマスターから聞いた、ヨシヤの父親が所有するラブホテルのパーキング。ここで二軒目だった。ヨシヤの車は目立つ車種だからそう見間違えることもないだろうが、念の為ナンバーを教えて和大にパーキング内を見回らせた。

 和大がシートに座るとすぐ、河辺は再び車を出した。ナツメを早く見つけ出そうと、焦る気持ちについ運転が荒くなる。乗り心地はかなり悪いだろう。

 河辺は和大を伺い見たが、彼はナツメの僅かなサインも見落とすまいとしているのか、ただ黙ったままじっと、街の景色に視線を馳せていた。

「――クソっ、……」

 信号待ちで停車すると、苛立ちのあまり河辺はハンドルに拳を打ち付けた。







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コメント
ナツメさん…
そんな風に自分で自分を納得させようとして……(涙)
河辺さん、和大、急ぐのだっ!
フラグなんて叩きのめしてしまえっ!!
ええっ、なんで、ここで信号!?
あー、続きが気になる(><)
2009/01/29(木) 13:55 | URL | 蛍 #-[ 編集]
テンヤワンヤの大乱闘(とか)
>蛍さん(*´∀`)

あいーすぐ諦める性格な(設定な)モノでしてw
そんな感じに今まで人生送ってきたイメージす(*´∀`)
どーせダメだろ、的(*´∀`)
ここは見せ場になるハズなんだろうなぁと思いつつ
なんでしょうこの緊張感のなさw
書いてる人がやっぱりのほほほーとしてると
あまり出せないんでしょかいや力量の所為すね(´Д⊂ヽ
こんな感じでやっぱり緊張感なく進みますが
どぞ温かく見守ってやってください(*´∀`)
2009/01/29(木) 20:30 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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