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Fly Me To The Moon(45)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「――俺らのあとにまだ順番待ちかよ。どんだけインランなんだよ」
「ちが……」
「黙れ」

 和大が言い返すより早く、河辺の手が出ていた。


 みぞおちに、ヨシヤが軽く吹っ飛ぶ程の拳。金髪の男がヨシヤさん、と床に蹲るヨシヤに駆け寄った。

「て……めっ」

 エイジが河辺に拳を振り上げる。河辺はその足元を片足で払った。途端にエイジは床に倒れ込む。

「ラリってるお前らに俺をやれるワケねーだろ? ……こんくらいにしておいてやるからさっさと行けよ」
「……っ」

 全員が河辺を睨み付けた。けれどもヨシヤがのそりと立ち上がり、無言でエレベーターに向かうと残る二人も慌てたようにそれに続いた。

「ナツメさんっ」

 ヨシヤたちが退散するのも見届けぬ先に、和大は室内に駆け込んだ。

 ベッドには、ナツメの姿。頬には、涙が伝った跡が残る。

「……和大……?」

 ナツメが虚ろな目で和大を見上げた。

「ナツメさん……」

 何も纏うものなく横たわるその身体にシーツを被せ、和大はナツメをそっと抱き起こした。

 今まで何度かナツメを抱いて感じた事がなかったのに、今和大の腕の中にいるナツメは折れそうに細いと感じる。その切ない抱き心地に、和大の胸が痛い程締め付けられた。

 ――ナツメさん、好きだよ……。

 壊さないように。けれども想いが伝わるように。

 大切に、けれども強く、ナツメを抱き締めた。





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コメント
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2009/02/03(火) 14:38 | | #[ 編集]
コメまりがとんございます(*´∀`)
>↑秘密コメHさん

あわわわわ優しいとかすいませんあざす!
私の脳内ではガッツリそのシーンは展開されてましたが(←
優しさよりは私のヘタレ具合により詳しい描写は避けた、という感じすアセアセ
河辺はいつかシアワセにしてやりたいタチベスト1,2を争う(←)キャラですw
和大……ガンバれますでしょうか、心配です(私の力量的にw)

あのつべはあれ以来見てないのですが、
相変わらずゲイの方のみの書き込みなんでしょうか
勇気を持って第一号に私が……!
って何度も思ってますがもうだれか一号がいらっしゃるなら
結構気軽に書いてみたいとも思いますw
生ごみでもなんでも使えばイイのに、というHさんの言葉がココロに染みます(*´∀`)

腐敗と発酵は実は同じ過程なんすよね
人間に有益なら発酵、そうでなければ腐敗というらしんです
腐も使いようによっては発酵となるかもなのになぁと
ああでも腐の視点とは切り離して考えたほうがいいんすかね
色々考えがまとまりませんが
こういう問題はいつもこんな感じでぐるぐるしてしまいますw
そんな私のぐるぐるにビシっと答えがもらえるのでHさん宅訪問はやめられませんです(*´∀`)

2009/02/03(火) 23:08 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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