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Fly Me To The Moon(46)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「あっれ……あのクスリ、幻覚もあるんだったかな……」

 腕の中のナツメがぼんやり呟く。

「幻覚じゃないよナツメさん……俺だよ。和大」
「和大……? ……何しに来たんだよ」
「ナツメさん迎えに」
「……こんな俺、迎えにとか……バカだろ、お前」

 ナツメが気怠く身体を揺らして笑う。

 ナツメが笑えば笑う程、和大の胸は締め付けられた。今泣くわけにはいかない。震えそうになる肩。堪えて和大はぎゅっと目を閉じた。

「――ナツメさんが言うならそうなのかも。ナツメさん、帰ろ? 帰って……手当てしよ」

 ね? とナツメを優しくあやすように、乱れた髪を手櫛で梳いた。

「……どこも痛くねぇし、アイツらゴム使ったし、……俺ならなんともねーよ」
「じゃあなんで、泣いたの?」

「泣いてねぇ、っての……」
「俺の事、待ってたっしょ?」

「んなワケ、ねぇ……」
「来るの遅くなってごめんね、ナツメさん。もう大丈夫だから。何も、不安に思わなくてもいいから……、……」
「……ん」

 疲労で思考が混沌としている所為なのか、最後には小さく頷いて、ナツメは目を閉じた。

 やがて、ナツメは規則的な呼吸を繰り返し始めた。ナツメの眠りを妨げないように、和大はナツメを再びそっと、横たえた。

 何も、できなかった。

 眠るナツメの頬を指の背でそっと撫でる。

 ナツメは、何を思って泣いたのだろう。

 どうすれば良かったんだろう。

 この場所を見つける事さえ、河辺の助けがなければできなかった。

 己の無力さが悔しくて、和大は唇を噛んだ。





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ナツメがやったのはR(←伏せてます)だけす。幻覚はない(と聞いてま)す。
数年前まで合法でした。




コメント
【秘密拍手コメレス】【まりがとんございます(*´∀`)】
>o-iさん(*´∀`)

わーいいらさいませo-iさん(*´∀`)
ようこそのお越しです~~~(´Д⊂ヽ
せっかくのお久しぶりのコメなのに遅レス申し訳なすアサアセ
繁忙期は無事乗り越えられましたか
お疲れさまです引き続きよろしくお付き合いくだちぃ(*´∀`)

悪いヤツら、出しましたが
テンプレすぎてほんとのところものすごハズカシイです(;´Д`)
新境地になりますでしょか
私としては本当の新境地となるワル(←またこれがハズカシスw)は
相手の気持ちを知っていながらそれを利用するような行動に出て
相手が傷ついているのを知っていながら
平然と笑っていられるようなそんなキャラが出せた時な気がするすw

スーツでハマー!
これは……ミスマッチの萌えすね!!!
マッパでゴメンナサイとうなだれる姿とか、
スーツに現場ヘルメットとか、もれなく私の萌えゴロロを突きますw
どぞまたご無理のないときに、ぜひお越し&コメお待ちしてますー(*´∀`)

あ、あと!
ショウガパワーすごいす!!!
あれから私風邪引いてないすよo-iさん!
紅茶に味噌汁にお茶漬けにラーメンにその他
もんのスゲー勢いで入れてますwwwwwww……やりすぎ?


2009/02/05(木) 11:33 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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