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Fly Me To The Moon(47)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「……金は? あんのかよ」

 いつから見ていたのか、河辺が壁にもたれて立っていた。

 何のための金の事を言っているのか分からなくて、和大は小さく首を傾げた。

「タクシー代。俺帰るから」

 財布の中身を思って、和大はまた押し黙った。タクシー代がここからどのくらいかかるのかも分からない。


 俯く和大の前に、河辺が一万円札を差し出した。和大は差し出された札と河辺を交互に見た。

「一万あれば帰れるはずだから。……返せよ」

 和大は、黙ってそれを受け取った。

「じゃあな。ナツメを責めるなよ……ってお前はんな事思わねぇか」

 バカだから、と少し笑って、河辺は二人に背を向けた。

「河辺先生」
「……はぁ?」

 和大の言葉に河辺は大袈裟に眉を寄せて振り返った。

「……ありがと」

 ――きっと、ナツメさんを想う気持ちは同じだから。

 河辺は鼻で笑って、ゆっくり踵を返すと何も言わずに部屋を出て行った。









 目を開けると、見慣れた光景が視界に入った。

 それが自室だと分かってナツメはほっと安堵した。少し頭が痛い。身体を起こそうと身じろいだら、全身が軋むように痛んだ。緊張に強張った身体のまま複数の男に抱かれたからか、とホテルでの一連の出来事を思い出して溜め息が出た。

 和大の姿を見た途端、緊張の糸が切れた。

 ナツメを抱き締めるその腕は深く優しく、穏やかな波に揺られるような心地好さで、ナツメの意識はそのままふっと遠のいた。疲労から来る眠りと微かな覚醒との狭間で、和大がナツメの衣服を整え、ここまで運んでくれたのを朧気に記憶している。




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河辺と和大、(・ё・)クサーですね、分かります(;´Д`)

今日も流れって何?(*´∀`)な場所でブッタ斬りすんませ……orz





コメント
【秘密拍手コメレス】【まりがとんございます(*´∀`)】
>秘密拍手コメiさん(*´∀`)

河辺は和大より大人すぎて
ナツメの取り扱いは付かず離れず見守るのがヨシと思ってたというイメージすw
ナツメの懐に入り込んでなおナツメをモノにすることができる方法があることは
考え付かなかった模様です(脳内イメージw)
和大も考えてそうしてるワケじゃないので(バカなので(゚∀゚)アヒャ)
結果正解だった、らイイなぁ……と
う……うまく纏まるでしょうかあわわわわアセアセアセアセ

あと河辺は逃げ道(せフレw)が居るのも
ナツメをモノにできない理由なんじゃないかとw
若干慎治のニオイがしてきました、河辺w
慎治よりクサイ感じがしますw(・ё・)クサー
カッコよく去るにはクサさ(とそれを晒す書いてる人の勇気w)が要ります(;´Д`)ハァハァ
色々恥ずかしいですあああああ
どうぞご支援ご鞭撻の程よろすくおながいしますあああ

2009/02/05(木) 11:34 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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