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Fly Me To The Moon(48)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「ナツメさん……平気?」

 ぼんやりと目を開けたナツメを、和大が心配そうに覗き込む。

「ん……」

 ナツメはゆっくりとした瞬きと共に小さく頷いた。その様子に、和大はほっとしたように表情を緩めた。

 何故、こんなになって帰って来た自分に笑みを向ける事ができるのだろう。

 今日も和大は何も言わない。何も、訊かない。

 愛されていたいのに、嫌われるのを急ぐような行動に出る自分。愛されると、不安になる。嫌われると、そんな自分をまた嫌いになる。

 ――今日のは決定打だろ?

 ナツメは身体を起こした。

「ナツメさん寝てな……」

 心配そうに手を差し出す和大の腕を、ナツメは緩く払った。

「――分かったろ? 今までずっと、こんな感じにやってきたんだよ。やっすいんだよ俺。さっきだってあんな状況で……ちゃんと悦くなれた」

 和大は黙って聞いていた。ナツメを慈しむように目を細め、じっと。

「――じゃあなんで泣いたのナツメさん」

 和大がまた手を伸ばす。ナツメがそうするのを知っていたかのように、その手を払おうとするナツメの手を、和大はそっと握った。

 和大の手のひらがナツメの頬に触れる。心より正直な身体。和大の手が触れたそれだけで、ぴくりと震える。悟られないようにナツメは俯いた。もうとうに乾いた頬の上に流れていた涙を思うように、和大がナツメの頬を指でそっとなぞる。

「お前とだって。……晩飯一食でヤらせるようなヤツなんだよ俺。だからもう……、……」

 ――違う。本当は、……。

「ナツメさん」

 和大に引き寄せられ、抱きしめられた。強いその腕の力に、ナツメの心が溢れそうになる。

「ナツメさんがこんな時にごめんね俺……ナツメさんのこと、抱きたい」



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コメント
【秘密拍手コメレスです(*´∀`)】【まりがとんございます(*´∀`)】
>秘密拍手コメTさん(*´∀`)

コメまりがとんございます(´Д⊂ヽ
こんな16歳w身も心もナイナイ尽くしでお送りしておりますほんとすいませんです(;´Д`)
せせせせせつなさありますでしょうか!
こんな調子で押し問答(?)にあと少し割いて
そんでエロwそして完結ですw間近に見えて参りますた!(多分)
よろしければ最後までお付き合いいただければウレシスです(*´∀`)


>秘密拍手コメAさん(*´∀`)

今日はヒミツでまりがとんございます(*´∀`)
和大16歳wこんな16歳ナイナイと思いつつ(´Д⊂ヽ
とにかく愛を注いで注いで注いで注いで
(合間に白濁も注いで)(とか)
長い時間かけてナツメの愛情不足自己不信を
治してやれるような存在になれたらなぁとか
思いながらほんとに長い時間がかかりそうすw
10年後脳内ではナツメは未だに
和大の愛情に戸惑いつつ
和大の手のひらでコロンコロン転がされてる、そんなイメージす(*´∀`) 

2009/02/06(金) 23:33 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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