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偏愛エレジー(19)(R18)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「はぁ、ぁ、……っ、はぁ、ん……」

 唇が重なり、呼吸が奪われる。その息苦しさが、恍惚と位織の気持ちを蕩けさせる。背に回した腕で、尚大を抱き締めた。

 二人を包む、この甘い空気が。

 恋人たちのそれとどこが違うのか、位織には判らない。

 気持ちのない位織に対してでも尚大はこんなに優しい。恋人ならどんなに優しく抱くのだろう。

 尚大が好きだと言った、あの彼なら。

 ――考えるな。

 自らを傷付けるような感慨に浸る必要はない。今、自分を抱いているのは確かに、尚大なのだから。

 位織はそっと、目を伏せた。

「位織さん」

 位織の呼吸が落ち着いたのを見計らったかのように、尚大が身体を浮かせた。

「抜くよ」
「ぁ……ん、……」

 まだもう少し、繋がっていたいとは言えなかった。

 去ってゆく尚大が生み出す小さな摩擦を、震えるように息を詰めてそれを堪えた。

 身体を起こそうとする位織をいいよ、と優しく制し、ベッド脇からティッシュを取った尚大が、零れた白濁で汚れた位織の腹を拭った。自身の始末も自ら施し、再び尚大も位織の横にどさりと仰向けで横たわった。

 ごろりと寝返りを打ち俯せになって、尚大の横顔をじっと見る。普段他人に感情の抑揚を露にすることのない尚大の内には、こんな優しさを秘めていた。想いを寄せる相手がいた。

 今まで彼は、どんな恋愛を経験してきたのだろう。

 ふと、聞いてみたくなった。

「――尚大、今まで誰かと付き合ったことは……?」

 位織の声に、尚大が僅かに顔を横に向け、位織に視線を向けた。




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尚大×位織

関連:和大×ナツメ 




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コメント
しかも優しいのか…尚大!
行為が優しいのに、位織に気持ちが向かないような態度を度々とるのは彼の優しさゆえなのでしょうか~惚れた弱みとはいえ罪な男じゃないですか~尚大。
そして位織てば仕向けておいてかなり傷ついてるところが切ない~(;_;)
位織の疑問に対する尚大の答えも気になります。
ますます目が離せないです~!
2009/04/14(火) 16:29 | URL | chihiron #-[ 編集]
クールで優しくて甘えんぼw
>chihironさん(*´∀`)

その場だけの行為といえどもバッキさせるためには
一時的にしても好意が要りますですから(と言ってるのをラジオで聞きましたw
結局恋人同士になってもセクースのやり方は変わらないと思うすw
そんな丁寧なセクースでハマる相手が今まで結構いたので(?)
前もってちゃんとアナウンスしておかないと、
みたいなカンジで気を持たせないような確認をw
そんなイメージ……でw
位織んの計算はここまでですw
あとはひたすら健気に尚大の不幸を祈るのみすw
計算や打算でことを成そうとするとこうなります(゚∀゚)アヒャ
ってあいやchironさんが言ってくださってるのを
もう一回言ってるだけのレスで申し訳ありませんですアセアセ
引き続きのお付き合いよろすくおながいしますー(*´∀`)
2009/04/15(水) 07:02 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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