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偏愛エレジー(22)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「コーヒーを、飲みますか」
「……、はい」

 友永に勧められ、位織は友永のデスク横に置かれた椅子に座った。先々週位織に迫る友永を河辺に見せて以来、授業で何度か友永には会う機会があったが未だその事について彼から何の言及も受けていなかった。

 ――何の話だろう。

 位織は僅かに緊張した面持ちで、コーヒーメーカーのデカンタからマグカップに褐色の液体を注ぐ友永の手元をじっと見つめ、彼の言葉を待った。

「――位織」

 コーヒーの入ったマグを位織に手渡して、友永がチェアに腰を下ろした。

「河辺君の発表はなかなかでしたね。位織のアドバイスが良かったんだろうね」
「いえ、……」

 友永の穏やかな口調にほっとして、僅かに身構えていた位織も表情を和らげた。

「――先日彼に見られたのは位織、君が仕組んだことだね」

 その瞬間、位織の背筋が凍る。友永は言葉を続けた。

「彼が、新しい相手ですか」
「違います教授、彼は……」
「位織が私を拒む限り、彼の進級はありませんよ」

 否定しようとする位織の言葉を、友永が変わらない穏やかな口調で遮った。

「位織を見ていれば分かるんですよ。実験で成果を得るには、些細な変化も見逃さない観察眼が必要なんです。私はそれに長けていますからね」
「教授、本当に……彼は無関係なんです」

 ――ただ俺が、一方的に彼に恋してしまっただけで。

 瞳を揺らして訴える位織に、友永は笑んでみせた。

「位織がそう言うならそれでも良いでしょう。無関係な一介の学生が、私達を見てしまったがために進級できない、それだけです。私にはそれでも何の不都合もありませんからね」

 位織は息を飲んだ。位織の返事を待つ友永と目が合う。お前に選択肢はないんだよ、と言うように、友永が目を細めた。





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尚大×位織

関連:和大×ナツメ 




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コメント
(*´∀`)秘密拍手コメレスです(*´∀`)まりがとんございます(*´∀`)
>秘密拍手コメo-iさん(*´∀`)

あいー教授再びでごじゃいやすw
位織んをよりケナゲなウケにするために
再び引っ張り出してみますたw
ちょwwwwwwそうかwwwwww昭和wwwwwwww
いや私も思ってたんですなんだろうこの感じ、ってw
このあと位織に尚大から電話があるんすけど
なんだかこの話の時代に携帯がないような気がしてたんすw
固定電話が鳴るイメージなのはなんだろう、とか
尚大のぱっと思いつく服装がニントモカントモ昭和クサイんすw
さすがにケミカルウォッシュとかはないすけど
どうにも私の脳内の尚大の服装がヤバいですw
それにしても教授wwwwwwどうしましょうwwwwww
引き際が分かりませんボスケテーッ!

ちなみに友永、モデル有りでして(゚∀゚)アヒャ
私の学生時代ゲイだともっぱらの噂だった
鼻下にヒゲのダンディおじさまでし(*´∀`)
今彼にステキな彼氏はいるかしら(*´∀`)
2009/04/17(金) 22:57 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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