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偏愛エレジー(36)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「……教授。教授には奥さんがいるじゃないですか。地位も名誉も、お持ちです。……俺には、何もありませんから」

 だから何も怖くない。

 尚大を守るためなら。

 なんだってできる。

 ――もしもあなたがそのつもりなら。

 位織も相応の手段を取るつもりだった。

 その時のために、今日を含めて過去数度、レコーダーとビデオカメラで事の一部始終を記録として残し、証拠も用意しておいた。万一の際はそれを、大学側に提出するつもりでいた。

 自分のことはどうでも良い。相手が自分だと知れたとしても。それによって職を離れざるを得なくなってしまっても。

 ――でも。

 できるのなら、それはしたくない。かつては愛した人を陥れるような行為に出ることは、位織にも相当の痛みを伴うだろう。位織の最後の誠意を、分かって欲しい。

 ――どうか。

 小さく唇を噛み、友永を見つめた。友永はしばらくじっと位織を見つめ返し、そしてふ、と小さな吐息とともに哀しく微笑んだ。

「……嘘ですよ。これ以上位織を悲しませることはもう私も、したくありませんからね。これでも本当に位織、あなたのことを愛しているんです」
「教授……」

 「愛している」

 その言葉に、位織の心が震える。友永の浮かべるこの哀しい笑みは、位織も良く知っている。友永の笑みもまた、叶わぬ想いを内に秘め、けれども人の心は意のままにはならないと、それを知る者が浮かべる笑みだった。

「……位織の心が離れているのを知っていながら、あなたを抱き続けたのは、そうしているうちにまた、位織の心が私の元に戻るかも知れないと思ったからです。でも、私は方法を間違えたんでしょうね。回数を重ねるたび、あなたは遠くなっていった」






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尚大×位織

関連:和大×ナツメ 




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前回は思わせぶりなところでぶった斬り、申し訳ありませんですた(;´Д`)





コメント
教授ーーーーっ(´・ω⊂)
ちょっと、教授が好きになりました(笑)

あ、あと前回はお手数をおかけしてすみませんでしたm(_ _)m
2009/05/01(金) 00:11 | URL | 市川美咲 #-[ 編集]
位織んのちゃっかりしたとこが。
露見しましたね~、テープとビデオなんて!さすが!!
でも教授がひいてくれそうで一安心しました~(^O^)
私も前回、驚いたうちの一人です(笑)。
結構あきらめないのね~教授!と思ってました~。
今日で一難去ったんでしょうか…(^_^;)
2009/05/01(金) 00:57 | URL | chihiron #-[ 編集]
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