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偏愛エレジー(56)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 あるいは互いに重い付き合いを好まないと、最初に告白し合ってしまったこと。

 最初に交わした暗黙の取り決めに、二人共が縛られ過ぎて来たのかもしれない。

 いずれにしても、二人が恋人同士のような関係になるには、割り切った関係である期間が長過ぎた。

「これでケリ、付いたのかな、……」

 一度ゆっくり瞬きして、位織は笑った。確かに笑ったのに、歯が噛み合わずに震えた。







「梁瀬」
「おう竹内、お疲れ。今日はもう帰りか。やっと終わったもんな。今日くらいは早く帰ったってバチ当たんねぇな」

 翌日。

 今まで三週間考え続けてきた数値に理想の結果が出た。ミーティングでそれを通し、またより効率的な発電の端をここに見出だせるだろうと、設計部へ新たにその値でのデータが送られた。

 帰り支度を始める梁瀬の横に立った位織は、梁瀬の言葉にうん、と頷いた。

「今日空いてる? メシ、どう?」
「いーよ。空いてる」
「返事、するよ」
「……、分ぁった」

 梁瀬は僅かにぎこちなく笑って頷き、パソコンの電源を落とした。

 夕べ尚大は、位織に背を向けた。

 もう、それで充分だった。

 今はただ、抜け殻のようになってしまったこの身体を、少しでも早く梁瀬のものに作り替えて欲しかった。

 いつもより早く研究室が入る建物を出ると、夕闇迫る空にはまだ西に僅かな明るさを残していた。随分日が長くなったな、などと他愛もない会話を交わしながら、梁瀬と二人、門をくぐって敷地を出た。

 いつもの居酒屋に向かおうと、駅へと続く道を梁瀬と歩いていると、背後から聞き覚えのある車のエンジン音が近付いてきた。




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尚大×位織

関連:和大×ナツメ 




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尚大、ストーカーと化しつつ……?(;´Д`)


コメント
おお~i-189e-456
尚大ガンバレe-282e-440
2009/05/24(日) 01:29 | URL | みい #mQQEfdr.[ 編集]
わぁ(*´∀`)応援あざすっ!
あいー尚大、次の日もやってきますたw
一応頭冷やさせたツモリなんすけど
今夜更新分の尚大もなんだかアツイです(゚∀゚)
うまくがんがれるか分かりませんが
がんがります!(私がw)
引き続きよろすくおながいします!
2009/05/24(日) 14:59 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
尚大×位織(〃д〃)
良いな
早く続き見たいな♪゜
更新待ってますね(*^∀^*)ノ
2009/05/24(日) 16:00 | URL | #-[ 編集]
コメあ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!です(*´∀`)
>↑無記名コメさん(*´∀`)

まりがとんございます(*´∀`)
ウダウダダラダラ続けてきました二人の関係も
ようやく変化しようとしてるすw
話もようやく終盤に!
最後までのお付き合いどぞよろすくおながいします(*´∀`)

コメありがとうございますたー!
2009/05/25(月) 07:13 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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