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偏愛エレジー(68)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「尚大が好きだって言ってた、ナツメって子に新しい恋人ができるたび、好きだって言えないままその子を抱くたび、尚大は傷付いて。でもそしたら俺のところに来てくれたからね」
「位織さん……」
「ずっと、それで良かったんだ」
「じゃあなんで……」

 尚大からの連絡を断ったのか。

 どうして今までのままではいられないのか。

 きっと尚大が一番聞きたかったこと。その答えは。

 まだ僅かに残る躊躇。

 迷いに瞳が揺れ、位織は尚大から目を逸らせた。小さく唇を噛み、行き着いた視線の先、尚大の乱れた着衣をじっと見つめる。そして「もう元には戻ることができない」と言った、尚大の言葉を思った。

 尚大だって分かっている。位織が一人静かに行動を起こしたことで、二人の関係は今までと同じではいられなくなった。どんな結果に至っても、それは位織が望んだことだ。

 これを逃すときっともう、この瞬間は二度と来ない。

 少しの沈黙ののち、位織は俯いていた顔をゆっくりと上げた。

「……本当は尚大の、心まで欲しかったことに気付いてしまった、から……。本当は最初からずっと尚大のこと、……好きだったんだ」
「位織さん……」
「尚大の不幸を願ってばかりの自分に、疲れちゃったんだよ」

 笑ってみせた。うまく笑えているだろうか。

「位織さん、俺、……もう遅ぇの?」

 尚大がまっすぐに、痛々しいまでの表情で位織を見る。それは親から引き離されそうになっている子供のようにも見えた。位織に縋るような、その目で。

 ――俺が尚大の、そんな表情を見て放っておけるわけないだろ?

 くすりと笑った。今度こそ、本当に笑えているだろう。心から。

 尚大の頬をそっと、両手で包んだ。




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尚大×位織

関連:和大×ナツメ 



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コメント
秘密拍手コメレスでし(*´∀`)あ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!ございマス!(*´∀`)
>秘密拍手コメo-iさん(*´∀`)

ややや、ややっややややっとでし(´Д⊂ヽ
寝てる尚大にコッソリキスし続けて7年w
ええもうほんとにw尚大はヘタすれば和大以下すねw
ヘタしないでもガチで和大以下すか\(^o^)/
二回戦では……どうなんでしょうw
コドモのままのガチュンになりそうな……?
いやほんとに書いてみないと分かんないんす(;´Д`)(ダメ杉)
カラダはすっかりオトナな事だけは宣言します!(要らん)

いやードロドロな愛憎渦巻くドラマにしようと思ったら
やっぱりヤなヤツがイパーイいないといけないんでしょうね
自分のキャラになるべくヤなヤツを出したくないヘタレなのも
敗因(?)な気がするすw
やっぱ友永は徹底して位織に脅迫し続けないといけないし
梁瀬はあの場(位織が誘った)でヤってないといけなかったでしょうwwwwww
ほんで位織に付きまとって悩ませてもう位織は死ぬしかないと
思った瞬間に尚大が助けに……? 
こんな流れで行けば良かった……んすかねw
嫌われっこを作る勇気を養います\(^o^)/
2009/06/06(土) 08:37 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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