偏愛エレジー（75）（R18）

　――ほんとにもう、終わりにして良いの、尚大……。

　また込み上げてくる、熱い感情。目を閉じるとまた一筋、涙が零れた。

　言葉になんて、できない。

　ただ、尚大を強く抱き締めた。

　位織の感情の昂ぶりを察したのか、尚大もただ黙って位織を抱き締め返した。肩口に置いた唇でそこを柔らかく吸い上げ、肌を食むようにキスをしながら首筋を辿る。

「ぁ……」

　腰骨に感じる尚大の熱が位織の身体の芯にまで届く。ゆっくりと顎を上げて喉を晒し、首筋を辿る尚大の唇を迎えた。

　顎先にキスが落とされると耐え切れずに鼻先で尚大の、そのすっと通った鼻筋を押しやってキスを求めた。

　再び唇が重なると、自ら尚大の口内に舌を差し入れ、絡め取った尚大の舌を唾液ごと吸い上げた。腰を揺らし、互いの性を煽りながら口付けを交わすと、身体の奥で生まれた熱の逃げ場がその唇に塞がれる。

　内に籠った熱はただ体温を上昇させるばかりで、なのに身体は背後に再び尚大の熱を迎え入れ、貫かれたいと渇えてゆく。

「ん、尚大……、も……挿れ、欲し……」

　我慢できない欲望を、喘ぎながら途切れ途切れに声にした。手を伸ばして尚大の猛りにそっと触れ、握ったその手を上下させて尚大を緩く扱く。この手の中の熱を己の中に欲しいと、仕草からもそれを伝えた。

「ん……位織さん……」

　最後に一度、位織の髪を撫で、尚大がゆっくりと身体を起こした。促されもしないまま位織自ら脚を開くと、その脚に手を掛けて、尚大がその間に割って入った。脚に置かれた尚大の手の上に、位織はそっと自らの手を重ねた。

　挿入を期待して収縮する後孔にくぷりと尚大の先端が入ってくる。尚大はけれどもそのまま奥まで穿つことなく、位織を焦らすように何度か括れまでを出入りさせた。



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尚大×位織

関連：和大×ナツメ　



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