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偏愛エレジー(79)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 ふと目覚めて、位織は辺りを見渡した。そこは見慣れた尚大の部屋。まだ夜が開けていないのか、部屋の中は薄暗い。カーテンから漏れ入る仄かな光も、人工的なそれは外灯の明かりだろう。


 背後に色濃く残る行為の名残に、位織は尚大との行為の最後、気を失ってしまったことを思い出した。

 背に感じるのは、密着するように寄り添った、尚大の温もり。位織を抱きしめるように回された腕の重みを、幸せだと感じる。位織はその幸せをかみ締めるようにそっと、唇を噛んだ。

 こんな幸せな目覚め方は、初めてだった。

 夢を見ているのだろうかと、ふと不安になって尚大の腕の中で身を捩り、尚大へと身体を向けた。

 眠る尚大をじっと見詰める。震えるように手を差し伸べて、その通った鼻筋をそっとなぞった。

 ――尚大。

 何度この名を声に出せないまま全身で叫んだだろう。今まで何度も、眠る尚大から盗むように、唇を重ねてきた。その尚大の唇を、そっと指先で辿る。

「――位織さん……?」

 位織の動きで目が覚めてしまったのか、閉じていた尚大の瞼がゆっくりと開いた。

「ぁ……」

 尚大の瞳に、自分が映る。じっと見据えられ、許可なく尚大に触れたことを咎められたような気がして、位織は目を伏せた。

「どしたの……? 腕、重かった?」
「違……」

 尚大が上げようとした腕を、そっと掴んでそれを制した。

 行為の最中、聞いた言葉を。

 もう一度聞かせて欲しいとは、言えなかった。

 俯いたまま顔を上げられずにいる位織を覗き込んで、尚大が表情を和らげた。





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尚大×位織

関連:和大×ナツメ 



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コメント
【飲み杉注意w】秘密拍手コメレスでし(*´∀`)【また9時に寝てもーた(;´Д`)】
>秘密拍手コメo-iさん(*´∀`)

位織計算モードはおそらくもうオワリでし(*´∀`)
次計算が働く時は何か尚大に危機が迫った時w
持ち前の計算高さで尚大を脅かす相手を
陥れることができるかと(゚∀゚)アヒャ
幸せ慣れしてない、ってほんとカワイソな言葉す(´Д⊂ヽ
けど位織んMなんで、手放しにシャーワセになってしまうと
何かムクムクと……来たりしないかなぁとか
ちょとイジワルな事考えたりw
(いや話的に書くことはないと思いますが)

ギャッハ!フレッシュ、ありますですかほんとすいませんw
一緒にいたコに「初音ミク」たんがいて
すごいカワユスだたす(*´∀`)
今度は矢島美容室しよーよ、って言ってますが
どうすかね若干(?)下品なんで誰もウンと言ってくれない(゚∀゚)アヒャ
立ち位置で言うと私がイシバシ……グハッ

おお、その作家さんは単行本じゃ読んだことないす
雑誌ではあると思うんすけど印象あんまないので
星が多いのを選んで一冊読んでみるす(*´∀`)
エロは脳内補完できるはずなんで
ステキなストーリーを求む(*´∀`)
もつろんエロもある方が(・∀・)イイ!!んですが(゚∀゚)アヒャ
まりがとんございマス(*´∀`)

2009/06/17(水) 07:55 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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