2ntブログ

偏愛エレジー(81)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 翌日。

 昼休憩の時刻になって、位織は梁瀬を食事に誘った。話があるのかと問われて頷いた位織に、梁瀬はそれなら、と個室で食事を取ることができる近くの日本料理屋に行こうと言った。

 夜は接待にも使われるこの店だが、昼は格段に安価で昼膳を供し、かつ料理のレベルは夜同様のため、昼のこの時間帯は女性客も多く見受けられる。

 夜は高級料亭と言って良い店の室内だけあり、二人が入った比較的小さな個室にも床の間が設けられ、その中央にはシンプルな生け花が据えられている。明かり取りの丸い障子窓からは、昼の光が優しく入っていた。

 注文した膳が届けられ、訪れた静寂。それを待っていたかのように梁瀬が口を開いた。

「――で。話って?」
「ん……」
「俺とは、付き合えない?」

 言葉を言い淀む位織に、梁瀬の方から問いを向けてきた。

 俯き加減に膳に視線を向けていた位織が顔を上げると、位織をまっすぐ見つめる梁瀬の視線に捉えられた。己の身勝手さでまた梁瀬を傷付けることになるのかと思うと胸が痛んだ。目を合わせていられなくて、位織は再び俯き、僅かの緊張に乾く唇を舌で湿らせた。

 もらった想いに応えることが出来ないと、相手に伝えるのは辛い。でももう、うやむやにしたまま返事を先延ばしにし続けることもできない。

「ん……ごめん、梁瀬……」

 位織は俯いたまま、ごく小さな声で梁瀬に詫びた。

「昨日の男?」
「……、……うん」
「ヨリ、戻ったんだ」
「ヨリ、ってのとはちょっと違うけど……、うん」
「そっか……」
「ごめん、梁瀬……」

 あーあ、と大きな溜め息と共に声を零し、梁瀬は額をさすった。

「竹内が男イけるって分かってたんならもっと早くに言っとくべきだったかなぁ……」

 ふぅ、ともう一度息を吐き、苦々しく笑って梁瀬は箸を手にした。ほらお前も食えよ、と梁瀬に言われ、位織も箸を手にしたものの、料理に手を付ける気分になれなくて、再び箸を膳に戻した。






←80へ / 82へ→ 
←1から読む
尚大×位織

関連:和大×ナツメ 



にほんブログ村
ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
↑ランキング参加中す。よければポチっと押してクダサイ
書く意欲に繋がってます(*´∀`)



コメント
秘密拍手コメレスでし(*´∀`)あ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!です(*´∀`)
>秘密拍手コメo-iさん(*´∀`)

仲居さん希望あざすw
BLエキストラ派遣事務所、みたいのあればイイすなぁ(*´∀`)
アッチでカフェ、コッチで居酒屋、今日は日本料理、
その他百貨店とか商社の事務まで(゚∀゚)アヒャ
ワタシもそんな派遣事務所に登録したいです(*´∀`)

そうなんすよねw位織ん一回酔った勢いで
ヤってもイイよ、的なこと言っちゃってますんでw
そこで流されなかった梁瀬ほんとスゴスw
てかぶっちゃけあり得ナスwとか思わなくもないんすがw
梁っち、次の恋までがんがってガマンのコになってもらいやすw

今日もあざした(*´∀`)
2009/06/18(木) 22:12 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 

 | Copyright © がっつりBL的。 All rights reserved. | 

 / Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ