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Sometime Butterfly(36)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 夜が明けた。

 立ち上がり窓辺に立つ。白みゆく空を見上げ、七月の姿を探す。

 七月は戻ってこなかった。

 傷ついた羽を、どこで休ませているのだろう。

 傷付け羽をもいだのはこの自分なのに。七月の不在が何よりも、……

 ――苦しい。

 その生を授かった時から一緒だったのに、何故一緒に生きては行けないのか。

 そして今日もその答えを求めるように、蝶の姿を求める。

 朝焼けの光が七斗を照らす前。

 七斗は鞄を手に、七月の部屋をあとにした。





 目が覚めた。白い天井をぼんやり見上げ、オフィスの簡易ベッドで眠ったことを思い出した。

 身体の節々が痛いのは、固いベッドで眠った所為か、昨夜何度も精を吐いた所為か。それとも――。

「もう、いっか」

 起き上がり、短い髪を掻き上げた。望木が掛けてくれたのか、身体には薄い布団が被せられていた。

 下着一枚だった身体に服を着て、部屋を出た。

 フロアを見渡すと、窓の外は明るく、太陽の光の強さからも、オフィス内の管理部門や営業の動きからも、もう世間は動き出してかなり経つ時刻なんだということが分かった。

 自席にまで行くと、七月の椅子に座った望木が七月のデスクに突っ伏して眠っていた。

「望木」

 望木の肩に手を置いて軽く揺すると、夕べ望木を起こした時と同じように寝ぼけ眼で望木がむっくりと身体を起こした。

「あー、七月。……はよ」
「はよ。終わった?」
「んー、上げといた」

 両腕を上げ、ぐあーっと喉の奥から絞り出すような声を上げて伸びをした望木は、寝てくる……、と呟いて立ち上がり、夢遊病かと思わせるような足取りで、先刻まで七月が眠っていた仮眠室へと向かった。



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コメント
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2009/08/07(金) 23:02 | | #[ 編集]
あ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!ございマス!(*´∀`)
>秘密コメ↑Kさん(*´∀`)

あまりお話の上で視点をアチコチに飛ばすのは
よくないみたいなんすけど
やっぱここらでどしても七斗サイドのキモチをちょろっと
読んでくださってるかたにも知って欲しいなぁとかw
ずーっと抑えてた衝動が抑えきれなくなった、みたいな流れで
半レイープ的に七月をヤったという顛末ですた\(^o^)/
今からくっつくのに重要な新聞記事を書かないとならないんすけど
普段描いてる文体とは絶対違うんだろなとか思うと
どうにもこうにも((((;゚Д゚))))ガクガクブルブルでしアワワ
なるべく新聞記事っぽい文を書いてみます(;´Д`)
引き続きのお付き合いよろすくおながいします!

追伸でのお気遣いまりがとんございますた!(*´∀`)

*************************************

>秘密拍手コメo-iさん(*´∀`)

そうなんすね結局互いに手を出せずにいてw
自分のモノになんないんなら
それ以外の相手なら誰でもいーや、的だった、っつう\(^o^)/
そこにはやっぱり兄弟の禁忌に囚われて、みたいな
葛藤があってのことだったんすけど
……どこにも表せてないすねorz
今晩ふたりは会えないですすいません(;´Д`)
もうちょっとだけ引っ張って、
そんでくっつかせたいなぁと思いつつ
…具体的なメモはここまでなんで実はアワワワ
アタフタしながら大詰めもってきたいと思いますんで!
どうかひとつオシリペンペンしてやってくだたい(;´Д`)

あwで、ご希望のサイトはメールでお知らせいたします(*´∀`)
2009/08/08(土) 01:11 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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