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Sometime Butterfly(37)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「ああそだ七月」

 何か言い残したことがあるのか、望木が立ち止まり振り返った。

「お前兄弟いる?」

「え? ……ん、いる」

 望木の唐突な問いに戸惑いながらも七月は頷いた。

「カメラマンやってる?」

「や、……ええと。実は知らなくて」

 確かに七斗は高校卒業後、写真を学ぶと専門学校に行った。けれども七月が知るのはそこまでだ。

 昨日会った七斗の様子からは、とてもじゃないが定収入がありそうな雰囲気は感じられなかった。カメラを続けていたとしても、職業として『カメラマン』と呼べる程のキャリアがあるとは思えない。

 にしても兄弟なのに、その職業さえ知らない間柄だと望木に知られたのが情けないような恥ずかしいような気分で、七月は僅かに視線を泳がせた。

「さっき読んだんだけど机に置いてる新聞記事に載ってた名前、お前にスゲェ似てんの。兄弟かなと思ってさ」

 ちょっと見てみろよ、と特に他意もない様子で言い残し、望木は今度こそ仮眠室に入って行った。

 望木が仮眠室に入るのを見届けて、彼に代わって自席に着いた。

 望木に温められたシートの感触に苦笑しながらパソコンの電源を入れる。パソコンが起動するのを待ちながら、望木が七月に見せようとそう折ったらしい、その記事が一番上になるよう折り畳まれた新聞を手にした。

 それは望木に言われなければ見過ごしていただろう、何の変哲もない記事だった。地方欄の一枠。ある写真展を取り上げていた。

 『街にひらり、舞う蝶たち』
   ――新鋭カメラマンによる、蝶の写真展――

 そう銘打たれた見出しに、七月の心がざわざわと騒いだ。



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こんな新聞の見出しとか、ああああああもうサムーw


コメント
秘密拍手コメレスでし(*´∀`)あ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!です(*´∀`)
>秘密拍手コメo-iさん(*´∀`)

あいーどこまでも役に立ちます、モギっちです!w
私の近くにもいますw
兄ふたりの職業を知らない人w
「え、そんなモンなん兄弟って」って
かなり衝撃的だったでしw
けど結構そういうモノなんすねw
というワケで七月もそんなカンジの兄弟にしてみますたw
とくに兄弟だとベラベラなんでも話すってのもないかと思うのでw
その辺りは野田兄弟(進・歩)と対照的なカンジすw
あいや進→歩の一方的な会話になりますか(゚∀゚)アヒャ
そのあたりはo-iさんの弟クン→o-iさん的なモノがありますかw
あ、そうだった!
「情けないような恥ずかしいような」コレ、「バツが悪い」で
言い換えられるんでした\(^o^)/オワタ

メール返信あざした(*´∀`)
じっくり舐め回すように隅々までお楽しみくだたいw
私は常に新作待ちでごじゃいやす\(^o^)/オワタ

2009/08/09(日) 11:39 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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