2ntブログ

誰もがきっと、誰かの。(15)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「ほんとご迷惑おかけしました。今後ともよろしくお願いします」

 自宅からの納品確認を終え、電話を切った貴史は、手にしていた携帯電話をテーブルに投げるように置いた。

 窓の外を見る。

 梅雨晴れの爽やかな空気が部屋の中まで流れ込んできそうなほどに、青い空。

 貴史は両腕を上げ、がーっと叫びながら大きく伸びをした。

 なんとか受注した仕事を納品日内に納めることができた安堵と達成感。

 夕べはやっと時間を気にせず寝たいだけ寝ることができた。時間にして十時間。加えて、この陽気。

 冷蔵庫から取り出したゼリー飲料の封を口でもぎ取るように開け、咥えたキャップを勢いよくゴミ箱に吐き出す。

 空だったスチール製のゴミ箱はカン、と良い音を立てて貴史に応えた。それをぎゅっと一絞り。簡素な独り身の朝食を済ませ、絞られた銀色のパッケージをゴミ箱に投げ入れた。

 洗面台の前に立ち、頬を手のひらで撫でてみる。髭は伸びているが、充分に取れた休息で顔色も戻っている。

 鏡に映る己に、にやりと笑ってみせた。

 それから貴史は、慣れた手つきで髭を剃り始めた。







 しっかり身支度を整えてやって来たのはいつものジム。時刻は予定通り午前十一時だった。

 眩しいくらいに明るいフロントに入りまず、カウンターに目を向ける。

 ――いた。

 ここ数週間の、密かな楽しみ。

 彼は今日も、窮屈なまでにきっちりと着込んだスーツ姿の小脇に小ぶりな段ボール箱を携え、カウンターの中に立つ若い女性スタッフに向かって丁寧に頭を下げていた。

 さり気なく彼の隣に立とうと、カウンターに歩み寄る。すると思いがけない動きで、彼が踵を返した。



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コメント
秘密拍手コメレスでし(*´∀`)あ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!でし(*´∀`)
>秘密拍手コメo-iさん(*´∀`)

ぬわっち!ものすごピンポイントすが!
萌えありましたですかヨカタですー(*´∀`)
こうなんつうか、シェーバーのCMのようなイメージですw
言葉にしてないすけど、生に会えるか会いたいなぁ
みたいなカンジで彼に思いを馳せてにや、って笑ってるんすw

Σ(゚Д゚) 十月十日=萌wwwwwwww
ちょwほんとだwwwwwwスゴスwwwwwww
これからもオノレの萌えに忠実に
まったり文字起こししたいと思うす!
今日もコメまりがとんごじゃいやしたー!

2009/10/11(日) 23:49 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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