2ntブログ

誰もがきっと、誰かの。(27)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 ジムの方へ戻る形で公園を抜けて、再び川沿いの道に戻る。その道をジムとは逆の方向に二人、傘の分だけ距離を取って隣に並び、黙ったまま歩いていた。

「――ここ。着いたよ」

 橋を渡ってすぐのところに建つマンションの前まで来て、貴史が生を見た。彼が言った通り、二人が出会った蓮池公園から歩いてすぐのところだった。

 エントランスの自動ドアの前まで来ると、貴史は慣れた様子でジーンズのベルト通しから繋がるチェーンを手繰り寄せ、後ポケットから鍵の束を取り出した。その中から迷うことなく選んだ一つを脇のパネルに差し込んで、オートロックを開けた。

 エレベーターを十二階で下り、夜景を見下ろしながら、薄暗い廊下を一軒のドアの前まで少し歩く。先刻の鍵で自室のドアを開けた貴史に促されて玄関の中に入ると、そこからこの部屋の外、ベランダまでを真っ直ぐに見通せた。

 長めの廊下の左側は物置らしい扉が数枚と、その奥にあるらしい部屋のドアが並び、右側には風呂や洗面所のある水場と、その並びにも、もう一部屋のドアがある。真正面奥には、対面式のキッチンのある大きなリビング。それは一見して一人暮らしには大きすぎるほどの広さだった。

 そもそもマンションの外観から、単身者向けではないと思わせる規模だったと思いながら、生はお邪魔します、と遠慮がちに声を掛けて靴を脱いだ。

「足、大丈夫だった?」

 中に入るなり貴史がしゃがみ込み、生の脱いだ靴を見た。

「あ、ほんと大丈夫、ですから」

 雨の中歩いてきた靴は湿り気を帯び、ここのところの生の疲れを表すようにくたびれている。それを貴史になんでもない様子で拾い上げられ、思わず顔が熱くなった。

「最終的に生を泣かせたのはこいつだろ? あ、マジで靴紐切れてる」

 色は黒か……、と呟きながら、貴史は下駄箱の扉を開け、中を覗き込んだ。



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コメント
秘密拍手コメレスでし(*´∀`)あ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!です!
>秘密拍手コメo-iさん(*´∀`)

あいー望木、イイトコに住んでるす(*´∀`)
その理由は近々うぷります(*´∀`)(あ、大したことでは…)
靴紐は…エヘヘ新品ではごじゃいやせん\(^o^)/
生も痛い思いしたとこなんで、
若干臆病になってるかも…?みたいなイメージで
イきたアッ―!(イったw)いと思うす(;´Д`)ハァハァ

あいー明日!明日でし~~(;゚∀゚)=3ハァハァ
一応なんとか土曜夜の更新分も今予約挿れまんたムハー
これで土曜夜は心置きなくはっちゃけられそうす(ダメw)
飲み放題の店を予約していただいたそうなので
とりあえずビール、飲んできます(;゚∀゚)=3

んもー次回はぜひ!またo-iさんにも会いたいです~(*´∀`)
飛び入り参加でもダイジョブですよw(←)
場所は新宿です(*´∀`)

今日もコメあざしたーっ!(´Д⊂ヽ



2009/10/24(土) 00:07 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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