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誰もがきっと、誰かの。(47)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 貴史が、額に掛かる生の髪をそっと後ろに梳いた。

「寝ていいよ」

 貴史の手に髪を梳かれながら、貴史の耳に心地好い声が生を眠りに誘う。

「いい、のかな……」
「ん、いいよ。寝て……起きたらまたしよ」
「ん……」

 ――『またしよ』

 その言葉が、生を安心へと導く。

「生の髪、ほんとはサラサラなんだね」

 薄くなる意識の傍で、貴史が囁く。

 額に、貴史の唇を感じた。生の全てを労り、癒すようなその柔らかい感触に、心までもが癒やされてゆく。

 言葉を返す代わりに、生は微かに笑みを浮かべた。

 おやすみ、と囁く貴史の声を聞きながら、生はゆったりと、意識を手放した。







 閉ざしていた目を開けると、見慣れない光景が視界に広がった。覚醒とともに昨日の記憶が蘇り、ここは自分が一夜を過ごした、貴史の部屋だということを思い出す。

 遮光カーテンの隙間から漏れ入る光で部屋はほんのり薄明るく、夜が明けていることが分かる。

 隣には、夕べ出逢ったばかりの男が眠る。触れ合った場所から伝わる彼の身体は温かく、その心地好さに生の表情は知らず綻んだ。

 小さく身じろぐと、背後に少しの違和感を覚えた。夕べの名残ともいえるそれこそが、確かに昨夜彼と交わったんだということを、改めて生に実感させる。

 静かに寝息をたてて眠る貴史を、じっと見つめた。

 程良く肉厚な唇が、呼吸のたびにごく小さく動く。

 ――この唇が。

 昨夜生に何度もキスを落とし、生を昂ぶらせ、追い詰めたのかと思うと、昨夜の情交がつい先程のことのように思い返されて、思わず頬が熱くなった。



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コメント
秘密拍手コメレスでし(*´∀`)あ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!ございマス!(*´∀`)
>秘密拍手コメYさん(*´∀`)

30歳男子ですが生、カワユさありますでしょかアッ――!
生はエロい子なのにおそらく貴史(私も今日から言うようにしてみますw
が二人目か多くて三人目の相手なイメージでしw
なんでヤって起きて「あーこの人とヤったんだ」みたいな実感を
じんわーりと感じてるのかと思いますw
で、貴史も生も起きて朝ごはんでも食べてまたヤりたいなぁとは
思いつつ…
とりあえずできません\(^o^)/
その理由はええと明日夜の更新分で
明らかにすることができる…予定でしw

ちょっと今軽くヨッパがピークで
改行もあやふやレスもちゃんと通じる日本語になってるか
不安ではありますが(ほんとすいませ…orz
今日もコメまりがとんございますたーっ!
2009/11/12(木) 23:04 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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