2ntブログ

誰もがきっと、誰かの。(51)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
「――生、腹減ってねぇ?」
「え……?」

 唐突にも感じる貴史の問いに、生は思わず目を瞬かせた。

「夕べ飯、食ってないだろ? 俺もだけど」
「ぁ……、うん」

 夕べジムにウェアを引き取りに行って、その帰りに貴史に出会った。気分的に空腹を感じる状況ではなかったから気にはならなかったが、言われてみれば胃の中は空っぽだ。気づかされて思い出したように感じた空腹に、生は素直に小さく頷いた。

「じゃさ、飯食わねぇ?」 
「え?」

「俺んちに今あるもので良ければ。コーヒーとトーストと卵くらいだけど」
「そんな、そこまでお世話になるわけにはいかないよ……」

 貴史の申し出は純粋に嬉しい。生自身も、貴史ともっと一緒にいたいと思ってもいる。

 そしてできれば、昨日の続きも。

 けれども生の生真面目さは、生にそれを手放しでうんとは言わせなかった。

 生の様子をじっと見ていた貴史は、けれども生の返事は予想通りだとでも言うように笑った。

「ぶっちゃけ生のためじゃなくて、俺がそうしたいんだよ。飯食ってちょっと落ち着いたら」

 耳元に寄せられる唇。内緒話をするような距離で、貴史が囁く。

「また生のこと、抱きたい」
「……、……」

 かっと、頬が熱くなる。

 何かあると、すぐに朱が差してしまう頬。それを他人に見せたくなくて、普段はなるべく平静を装ってきた。

 貴史を目の前にして、そのコントロールが効かない。

 耳まで赤くなっているのを自覚しながら、頷くことも、首を横に振ることもできずに、眼鏡のないぼんやりとした視界のままじっと、貴史を見た。


←50へ / →52へ
←1から読む


ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村
↑ランキング参加中す。よければクリック入魂一押ししてください。
 書く意欲に繋がってます(*´∀`)
携帯からはポイント反映されないことがあるようです(090907現在)
ぜひパソからの一押しお待ちしてます(*´∀`)



すすまないorz


コメント
 何かもうすっかり、長く一緒にいるカップルさんみたい…!
 でもまだ一夜しか…。

 望木さん、また抱いちゃうの? またやっちゃうの? ワクワク。
2009/11/16(月) 08:27 | URL | 如月久美子 #-[ 編集]
あうんなカンジになっちゃってますでしょかアッ――!
互いを(というか今のところ生を、だけですがw)知るために
まったりと会話してる、みたいなイメージで書いてるつもりなのに
なぜかほんとにこの二人、もう何度も何度もヤっちゃってそうでしw
朝ごはんで空腹じゃなくなったら腹ごなしと言ってヤろうと、
そんな貴史の魂胆(申告済みw)なんすけど
ヤれませんw 今のところw 

2,3話先さえ闇、みたいな手探り更新続きますが
引き続きのお付き合いよろすくおながいします(*´∀`)
コメあざしたーっ(´Д⊂ヽ

***********************************************

>秘密拍手コメYさん(*´∀`)

抱きたい、すか!!
Yさんも抱きたい派なんすね(*´∀`)人(´∀`*)
私も断然抱きたい派でごじゃいやすw
次貴史が生を抱くことがでくるのはいつになるかwwww
まだ未定ですが(orz)引き続きお付き合いよろすくでし(*´∀`)

コメあざした!(´Д⊂ヽ

2009/11/16(月) 22:02 | URL | ベラ #-[ 編集]
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 

 | Copyright © がっつりBL的。 All rights reserved. | 

 / Template by 無料ブログ テンプレート カスタマイズ