2ntブログ

誰もがきっと、誰かの。(60)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 生も食事を終えたのを見計らって、貴史が煙草はいいかと生に聞いた。生がうん、と小さく頷くと、貴史は脇に置いてあった青い煙草のパッケージを引き寄せて、一本口に咥えた。

「――俺さ、会社辞めて独立したんだよね、半年前」

 脇にあった百円ライターで煙草に火を点け、貴史がぼそりと話し始めた。

「そうなんだ……なんの仕事、してるの」
「コピーライター。中堅の広告代理店に勤めてたんだけど、そこでよく仕事組んでたデザイナーと一緒にそこ辞めて、二人で事務所立ち上げたんだ」

 貴史は、彼の口調や雰囲気から、どこか自由さや自立心のようなものを感じさせ、人に雇われるような職には就いていそうにない、となんとなくだが生も思っていた。

 彼の仕事は、何らかの才能職なのではないだろうかという気はしていたが、職種を聞いてやっぱり、と生は酷く納得した。

 サラリーマンとして働くようになって八年を過ぎたが、生は会社を辞めようとか、自分で会社を起こそうなどとは思ったこともなかったから、貴史の独立が、大変な偉業に思えた。

「独立なんて……すごいね」
「この業界じゃ、それほど珍しいことでもねぇから別にすごくはねんだよ」

 思ったままを言葉にしたが、貴史は謙遜する風でもなくそう答えた。だから生も、業種によってはそれが普通の流れなのかも知れない、とすんなり貴史の言葉を受け止めた。

「でも、一から始めるのは、なんでも大変そうだよ」

 レベルは違うかもしれないが、生自身が何も知らない営業畑に異動になった時そうだったように。

「ん……、確かに、ペース掴めなくてただ闇雲に、来た仕事こなしてきた、って感じはしてる。ミスなんかもあってここんとこ疲れ気味、って思ってたりもしてたけど」

 息継ぎには、煙草を吸い込む。生を気遣ってか、煙は生のいる方向と逆の方に向かって吐かれ、換気扇の回るキッチンへとゆっくりと流れてゆく。



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進まなくてほんともどかしいすorz
次回には少し流れが出せるかと……(;´Д`)


コメント
秘密拍手コメレスでし(*´∀`)
>秘密拍手コメYさん(*´∀`)

ぬふ~色々ありがとうございます(*´∀`)
貴史、まだ言いそびれてます\(^o^)/
どのタイミングで、と色々思案してますが、
まだ早いかなぁ、と思ってもうちょいお取り置きでし(*´∀`)
このあと一山かフタ山、大事件じゃないすけど
ある予定なんですが
ちゃんと山を持ってこれるか
いよいよ…明日夜くらいから始動予定なんで
ドキムネでし(;´Д`)
どうか引き続き温かく見守ってやってくだたい!私を!(´Д⊂ヽ

で、本編終了後ですか!
今のところ何も考えてナカタすけど(アワワワすいませorz)
(・∀・)イイ!!すね!
二人でお買い物(*´∀`)
メモに控えときます!
最近日常生活に忙殺され気味で
書くほうに注ぐ時間がなかなかとれないんで
この話以外のことはなかなか考えてる余裕がないんで
リクとか妄想とか、ほんとウレシスです~(*´∀`)

今夜もありがとうございますた!!
引き続きよろすくおながいします(*´∀`)
2009/11/26(木) 00:00 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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