2ntブログ

誰もがきっと、誰かの。(71)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「ナシノの広告、請け負ったことあるよ俺」
「え、マジで?」

 七月の言葉に、貴史が身を乗り出す。

「あれ、お前と組んだんじゃなかったっけ」
「ちげーよ俺記憶ねぇ」
「じゃあ福井さんとだったかな。ああそれで、締め切り前余裕だったんだ」
「悪かったな」

 冗談ながらにチクリとやられ、貴史が白眼を見せてまた、乗り出していた身体を椅子の背にどっかりと戻した。

 そんな貴史を鼻の奥でくすりと笑って、七月は生に視線を向けた。

「知ってる? 望木って前の会社の時、いっつもギリでしか原稿上げなくて周りをヤキモキさせたから『ヤキ望木』って呼ばれてたの」
「うるっせぇよ最近は少しはマシ……だろ」

 七月の軽口に勢いよく割って入ったものの、あまり自信がないのか、最後には口ごもるように話す貴史に、七月はいよいよ笑ってそうだね、と彼をいなすように同意を返した。

「ナシノはなんか今、新素材の商品出してるんだよね、新発売の時の通販カタログやったよ、俺。……ええとブリーズ?」
「ブリージング・ファブ、です」

 生がすかさず答えると、七月はそうそうそれ、と小さく頷いた。

「それってほんとにいいの? 使い心地」

 俺実際には手に取ってないんだ、と小さく肩を竦め、戯れのように笑う表情も、七月がやればそれだけでどこか魅力的だ。

 こんな人もいるんだな、とその艶のある表情を見つめながら、生は頷いた。

「いいですよ。夏でも冬でも、オールシーズン対応で、着用感は抜群です。カタログを作られたのなら下着があるのもご存知ですよね」
「ん、知ってる」
「スポーツウェアだけでなく、下着の方も、ほんとお勧めです」
「デザインもいかにもな下着じゃなくて良かったよね。俺も買ってみようかな」
「あ、はい、ぜひ」

 声を明るくして答えると、七月がまた、くすりと笑った。


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コメント
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2009/12/06(日) 22:05 | | #[ 編集]
こばわ~(*´∀`)
>秘密コメ↑Kさん(*´∀`)

こばわ~今夜もお越しまりがとんございます(*´∀`)

いやーことセクースに対しては特にw
生と七月、考え方は全く違うですよねw
くっついてしまってからは
おそらく七斗の過去には全く気にならないんじゃないかなぁとか
思う反面生はというと
きっと貴史とくっついてからも
ウジウジと(w)貴史の過去についてモヤモヤしそうすw
七月とは割り切った関係だったとしてもヤったことあるとか知ったら
知恵熱とか出しそうす\(^o^)/
なんだかムダな会話にも見えるウダウダなシーンですが
思いつくままにまたーりうぷらせていただいてます

すいませんほんといつの間にやら70話(;´Д`)
一回の更新がほんと少ないので
枚数的にはあまり行かないかもしれませんが
連載回数としては最長になりそうすアワワワ
またーりやらせていただいてますこの話、
スキと言って頂けたらもうっ!!!
ウレシスですあああああ、ぁ、あ、っ、アッ――!りがとうございます(´Д⊂ヽ
なんとか最後にはふたりくっつけて
完結まで持って行きたいと思いますんで
どうか引き続きのお付き合い!
何卒よろすくおながいいたしますーっ!!
ありがとうございますた!




2009/12/06(日) 22:41 | URL | ベラ #-[ 編集]
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