2ntブログ

誰もがきっと、誰かの。(86)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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「彼とは? 会ってないの?」

 長時間パソコンに向かっていたことで固くなってしまった身体を解すように、うーん、としなやかに伸びをしながら七月が軽い調子で聞いた。

 生と一緒にいたところを邪魔されたあの週末が明けてすぐの月曜に、ひょっとして貴史が魅力を理解して欲しい相手がいると言っていたのは彼なのか、と出社してすぐの七月から単刀直入に聞かれ、貴史は正直に頷いた。詳しい話は割愛してはいるが、だから七月は生が貴史の想う相手だと言うことは知っている。
 貴史の様子を見ていれば、察しの良い七月ならそれが決してうまくは行っていないと分かるはずだ。にもかかわらずしれっとそんな地雷にも近い話題を振ることができるあたりが七月らしい。

 貴史は苦々しく笑って首を竦めた。

「会ってるどころか。そもそも連絡先教え合ってねぇもんよ」
「え、そうなの? 彼、その前の日泊まってたんだよね?」

 伸びをする手を止めて、七月が驚いたように目を大きくした。

「ああ、泊まってた」
「まさか、ヤってないとか言わないよね?」
「ヤったしスゲェいい雰囲気だったから向こうもちょっとは俺のこといいな、って思ってくれてんのかな、とか思ったけど」
「けど?」

 七月の突っ込んだ質問に、必死で塞ごうとしている傷を抉られるようで胸がじくじく痛む。

 貴史はデスクに戻ると少し乱暴に引き出しを引き、カートンで買い置きしてある新しい煙草の中から一箱取り出した。

「生の前の男から会おうって、電話が掛かってきたんだよ」
「へえ……前の男」
「そんなの、ヨリ戻ってんに決まってんじゃん?」
「そう、なのかな、本当に……?」

 七月は、貴史が新しいパッケージから取り出した煙草を吸い始めるのを見るでもなく、何かを思案するように何度も小さく頷きながら、その薄めの唇を僅かに尖らせた。



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コメント
秘密拍手コメレスでし(*´∀`)あ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!ございマス(*´∀`)
>秘密拍手コメYさん(*´∀`)

うゎーい、ほんとに七月w
このあと貴史と話し進めるうちに
どんどん自分の所為?エヘwとか気付く仕様でしw
そのあと七月がどう出るかは…
脳内で展開中す\(^o^)/
最近ダラダラ度更にアップしてますが(orz)
引き続き見守っていただけますと
ウレシスでし(´Д⊂ヽ
年の瀬のお忙しい中
お越し&コメありがとうございますた(*´∀`)

*******************************

>秘密拍手コメmさん(*´∀`)

いらさいませこんばんは~(*´∀`)
お越しあ(・∀・)り(・∀・)が(・∀・)と(・∀・)う!ございマス!!

のわわわわっ!ど真ん中!
突けてますかウレシスです~(´Д⊂ヽ
ななななっ泣いてっ!ほんとすか!
あああんもうナントカ(←すいませんw)冥利に尽きますです~(´Д⊂ヽ

ダラダラと続いてますこの話にも
お付き合いいただきありがとうございますです(´Д⊂ヽ
引き続きこれからも、どぞこっそりと言わずおおっぴらに!
お越し下さいです~(*´∀`)
コメあざした!
2009/12/22(火) 00:22 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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