2ntブログ

誰もがきっと、誰かの。(88)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 あれからジムに行ってもみたが、ウェアの貸与が、ちょうど生と池で出逢ったあの金曜日を最後に終了したとスタッフに言われ、生と自分を繋いでいたものがそこで切れてしまったようにも思えた。

 また、会えるだろうか。

 もう、会えないのだろうか。

 仕事中でも思考に僅かな隙ができるとつい、生のことばかり考えてしまう。

 そんな自分に気付くたび、いけね、と勢い仕事に没頭し、仕事は一見捗ったが、今のようにミスを出しているようでは結局元の木阿弥だ。

 吸い込んだ煙は、七月の方へ煙が行かないようにと、形ばかりだとは分かっているが上に向かって煙を吐く。

 これを吸ったら、また気合いを入れてしっかりやろうと、空気に混じって消えてゆく煙を眺めながら思った。

「――じゃあ、前から相手を知ってるのは、貴史の方だけ、ってこと?」

 短くなった煙草。あと一口吸い込んだらお終いにしようと、目に染みる煙に眉を寄せながら、煙草を口元に運んだところを、七月がまだその話題を引っ張りたいのか、更に問いを向けてきた。

「そういうこと。あの日、池で生を見つけた時俺は運命だ、って思ったのによ。生は俺を初対面だって思ってたなんて、よく考えたらこんなの、運命でもなんでもねぇってのな。運命が聞いたら呆れるっつうの」

「貴史それ、彼には言った?」

「あ? 何をだよ」

「貴史は前から生のこと知ってるってこと」

「言ってねぇよそんなの。完全に生の記憶に残ってねぇのに前から見てましたアピールとか、ストーカーみたいで怖ぇだろ」

 できればこれ以上の質問はもう勘弁して欲しい。それが七月に伝わるようにと、貴史は七月を眇目で見やり、最後に一口吸い込んだ煙草を、今し方空にしたばかりの灰皿で苛立たしげににじり消した。


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コメント
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2009/12/23(水) 22:14 | | #[ 編集]
ほんと不甲斐無いす、望木(も私もorz)
>秘密コメKさん(*´∀`)

こばわ~(*´∀`)年末のお忙しい中お越しありがとうございます。・゚・(ノД`)・゚・。

今夜更新分で七月、生に言ったヒトコトで
なんだかこじれたんだったりして(テヘ)って一応気付きますw
そのあとどう動くかは今まだネリネリ足掻いてるすorz
だいたいの流れは決まってるんすけど、
なんかうまいことこう……流れないんすボスケテ\(^o^)/オワタ

二人想いが通じ合った際は
ダイジにダイジに、ねちっこくねちっこく
生を抱かせてヤりたいと!!思てます!!
そこにちゃんと到達できますようどうか!!
念送ってやってくだたいorz
オラにゲンキを分けてクレ!(誰)
(いやカラダはゲンキですw)

寒い日が続いてますがお体にはお気をつけくだたい!
コメまりがとんございますた~~~っ!(´Д⊂ヽ

2009/12/24(木) 00:01 | URL | ベラ #-[ 編集]
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