「ばっ、んなワケねぇだろっ?! もしかして酒に何か混ぜたんじゃねぇのっ? じゃねぇとこんなっ、……」
感じる訳ねぇだろ、と言いかけて、すんでのところでそれを飲み込んだ。
言ってしまえば、山中のキスが悦かったと認めてしまうことになる。
けれどもそれは山中には認めたも同然だったらしく、山中はしたり顔でにやりと笑った。
感じる訳ねぇだろ、と言いかけて、すんでのところでそれを飲み込んだ。
言ってしまえば、山中のキスが悦かったと認めてしまうことになる。
けれどもそれは山中には認めたも同然だったらしく、山中はしたり顔でにやりと笑った。
「こんな? 悦いはずねぇって? あいにくだけど何も盛ってねぇよ。マジでそんなに悦いんだ? つうか上司に向かってその口の聞き方……それがお前の素かよ」
「え、あ……すいませ……」
体育会的にだけでなく、普通の日本社会において上司に向かって今の言葉遣いはマズかった。
青ざめて、わなわなと山中を見上げる。
しばらく真顔で見詰め合い、訪れる沈黙。その重い空気に耐えかねて、叫び出しそうになる。
その時また、山中がぷっと噴き出した。
「――スゲェ、可愛いじゃねぇかよ。大人しく俺に抱かれとけって」
思いもよらない言葉が降ってきた。と同時に首元に、山中の唇が落とされる。山中の手には、肩から腕を撫で下ろされた。
「抱かれって……ちょ、山中さん、マジでっ? 俺ほら、帰んねぇと。今何時? 終電なくなるからほらっ、ね? 山中さ、ん……んっ」
山中がオトコもイけるという話は聞いたことがない。確かに結婚していると言う話も聞いたことがなかったが、裏での女子社員からのあまりもの支持率に、山中はてっきりノンケなものだと思い込んでいた。
今まで一度も想像したことのないこの状況に、頭がパンク寸前だ。
山中に押さえ込まれた身体は、このパニックの所為か、あるいはまだ酒が残っている所為か、なぜか力が入らない。口だけでも抵抗を、と言葉を並べたが、鎖骨辺りを吸い上げられて、思わず息を詰めた。
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山中がオトコもイけるという話は聞いたことがない。確かに結婚していると言う話も聞いたことがなかったが、裏での女子社員からのあまりもの支持率に、山中はてっきりノンケなものだと思い込んでいた。
今まで一度も想像したことのないこの状況に、頭がパンク寸前だ。
山中に押さえ込まれた身体は、このパニックの所為か、あるいはまだ酒が残っている所為か、なぜか力が入らない。口だけでも抵抗を、と言葉を並べたが、鎖骨辺りを吸い上げられて、思わず息を詰めた。
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