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十二月二四日、夜八時(1)

BL好きが書いた自作小説を短編・シリーズでぼちぼちアップしています。年下攻率高し。 18禁。
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 俺は約束通りの時刻に慎治さんの部屋の前に立っていた。

 慎治さんが何も言わなかったから、俺からイブは慎治さんと過ごしたいと言った。その時の慎治さんの様子は、きっとずっと忘れられない。言ったら照れるだろうから何も言わなかったけど、聞いた途端張り切りだした慎治さんが本当に可愛いと思ったし、言って良かったと本当に思った。



 今日外泊する事を兄貴に言ったら、兄貴は心配と少しの嬉しさを、顔をニヤニヤさせる事で誤魔化したような顔で「オフクロには巧く言っといてやるから」と言った。兄貴がどこまでどう思って言ってるのかは分からないけれど、泊まる部屋の主が俺より十も年上の、しかも男だとは思ってないと思う。それが俺の恋人だと知ったら。兄貴は何て言うのかな。


 俺は物心ついた頃から、兄貴の事が好きだった。所謂『そういう意味』で兄貴が好きなんだと気付いてからは、その気持ちを隠すため、ずっと自分を押し殺す日々だった。俺は話すことを最低限にとどめる事で「兄弟」と「家族」の関係を守った。誰よりも俺を可愛がってくれた兄貴は「話さない子供」の俺をいつも心配してくれたけど、その優しいところが好きで……そして嫌いだった。

 兄貴の結婚式の日、抑えきれない気持ちをどこに持っていけば良いのか分からないまま、雨に打たれて濡れていた俺を拾ってくれたのが慎治さんだった。あの日はもう死んでもいーや、くらいの気持ちだったから、慎治さんは俺の命を救ってくれたと言ってもいいと思う。そこまで言ったら重いかな。でも兄貴と今、こんなに穏やかな気持ちで話せるようになったのは、慎治さんが俺を見付けてくれたから、ってのは間違ない。


 とにかく俺は慎治さんの部屋の呼鈴を押した。

「おー歩。時間ぴったりだな。……何だそれ?」

 ドアを開けるなり慎治さんの明るい声がした。慎治さんが俺の肩に担いでいた箱を覗き込む。

「ビール。クリプレ」

 慎治さんは驚いたように瞬きをした。けれどもすぐにそりゃイイな、と笑って俺からその箱を取って持ってくれた。

「こんな重いの、どこから運んで来たんだよ」
「A通りの酒屋。そこが一番慎治さんちから近いっしょ?」

 答えながら慎治さんの後ろを付いて行く。そんなに重いかな。慎治さんだって軽々持ってんじゃん。俺と同じように肩に担いで箱を運ぶ慎治さんの後姿を見て、俺は笑った。
 
 お前よく売ってもらえたな、と言いながら、慎治さんが冷蔵庫の前でその箱を下ろす。振り返る慎治さんを黙って見てたら、慎治さんはふと目を細めて俺にキスをした。


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この二人につきましてはコチラ→雨がやんだら
クリスマス前後の流れはコチラ→クリスマスイブの過ごし方 ・ ただそれだけの朝

2へ→



季節外れになってしまいましたが
何人かの方(=4人wwwww)にご要望いただきました二人のクリスマスの夜について
レポートしたいと思いますwwwww
苦手一人称にて報告(;´Д`)
ちゃんと最後まで描けるか…どうぞ叱咤激励おながいしますwwwww





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コメント
キタキタキタキタ北
ウケ目線の一人称、いいなぁん(*´Д`)~з
しかもこの子、まだ高校生ですよベラサン!!
妙にナマナマしいわぁん(;´Д`)ハァハァ

ビールに酔うより歩に酔わされろ大人!!
つかもうベロンベロンに酔ってましたねこの大人!!
一生酔いどれてろwwww
2008/01/23(水) 23:07 | URL | ハナ #ZJmJft5I[ 編集]
ニシニシニシニシ西(イミフ)
まだタチですハナさん!wwwwwww
このあとウケますがwwwwwww
やー想像してる時が一番楽しいなぁ…wwww
この子無口なんで地の文というか心の声ばっかりになりそうです(;´Д`)

慎チン歩にベロンベロンwwwww一生酔いどれさせてやりたいv
歩にはちゃんと慎チンをシアワセにしてあげてもらいたいですwwwww
さて一番ドッキドキしてるのは慎チンか歩か…私か…さて誰wwwww
2008/01/23(水) 23:19 | URL | ベラ #mQop/nM.[ 編集]
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