※18禁的表現あります。よろすくおながいします。
「はぁ……、ぁ……」
呼吸が鎮まるにつれ冷静さも戻ってくる。不意に背後の異物に空しさを覚えて指を抜き去った。
「っ、……」
それでも昨夜の余韻を色濃く残す後孔は少しの刺激にも過敏に反応し、野田の身体を震わせた。
もう片方の手は、己の白濁に濡れている。野田はその手をじっと見た。
――歩。お前とはできないと思いながら俺は……。俺は一体……。
野田は呆然としながら、自ら汚した掌を拭った。
――穂積はどうして俺にあんな事を。
もう一度自問する。
無意識の罪を問う穂積の言葉は野田を責め立て、野田を精神的に追い詰めた。その一方与えられた愛撫の甘さは、野田をかつて経験した事のない快楽へと誘(いざな)った。そのアンバランスに心と身体が均衡を失い、上り詰めた時野田はとうとう全てを放棄した。
そして、結局はそれを今も放棄したままなのかも知れない、と野田は思った。
今はただ、時を過ごそう。
今まで通り、歩の幸せを願いながら。きっと今の自分が歩にしてやれる事は、ただそれだけなんだろう。
それが分かっただけでも、あの夜に意味はあった。
――穂積には――まだ暫く共にする出張もある。最大の感謝で接して。かつ穂積の出方に任せて。穂積が何もなかった事にしたければ、こちらからは何も言及はしまい。また、言及できる立場にもない。
心にそう結論を出し、野田は目を閉じた。
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そして、結局はそれを今も放棄したままなのかも知れない、と野田は思った。
今はただ、時を過ごそう。
今まで通り、歩の幸せを願いながら。きっと今の自分が歩にしてやれる事は、ただそれだけなんだろう。
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